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米国の観光促進組織「ブランドUSA」、予算の大幅削減で職員15%解雇など事業再編、10月開始の新キャンペーンに注力へ【外電】

米国の観光促進組織「ブランドUSA」は、2025年7月に可決された「ワン・ビッグ・ビューティフル」税制・歳出法によって連邦政府からの予算が80%削減されたことを受けて、職員15%にあたる12人を解雇し、事業再編を実施した。

議会は、ブランドUSAへの連邦政府予算を年間1億ドル(約147億円)から2000万ドル(約30億円)に削減。ブランドUSAの広報担当者クリス・ヘイウッド氏は、観光産業ニュース「スキフト」に対して、「ブランドUSAは最近、事業の合理化と部門統合を行い、現在の予算状況と戦略的優先事項に基づいて組織再編を完了した。この再編の一環として、従業員の約15%を削減。この組織再編によって、事業効率が向上する」と述べている。

2025年半ばまで、米国へのインバウンド観光客はパンデミック前の水準を下回る状況が続いている。2025年6月の海外からの訪問者数(カナダとメキシコを除く)は、2019年同月の約80%だった。

また、ブランドUSAは、Apple TV、YouTubeなどで展開していた広告付きストリーミングサービス「GoUSA TV」も閉鎖した。新しい「America the Beautiful」キャンペーンを含む、ほかの取り組みに注力する。

ヘイウッド氏は、「観光プロモーションの効果を最大化するための継続的な取り組みの一環として、マーケティング投資を再調整し、効果の高い取り組みに注力する」と明かした。新しいプラットフォーム「America the Beautiful」、その他の戦略的コンテンツソリューションを優先する。「America the Beautiful」キャンペーンは、米国外で10月に開始される予定。

予算は削減されたが、ブランドUSAは新たな資金提供の可能性について楽観的に見ている。ヘイウッド氏は、ブランドUSAは「政権と非常に前向きな対話を行っており、政権も協力的であるため、将来について非常に前向きでいる」と話している。

※ドル円換算は1ドル147円でトラベルボイス編集部が算出

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」 から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事: Brand USA Lays Off 15% of Staff, Shuts Down Streaming Service: Scoop

著者:Dennis Schaal 氏