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デルタ航空、幹部らが語ったアジア戦略、ネットワーク拡充から顧客体験の高度化まで

デルタ航空は、このほど東京で創立100周年イベントを開催。本社から来日した幹部がアジア太平洋地域での戦略と今後の事業方針を語った。拡大するアジア市場で日本を重要拠点と位置づけ、日本のパートナーとの関係強化、羽田空港を軸としたネットワーク拡充、顧客体験の高度化を進める方針を示した。

※写真:100周年イベントの様子。日本の大手企業が登壇してパネルディスカッションがおこなわれた。

アジア太平洋地域担当副社長のジェフ・ムーモー氏は、「今後20年、世界の旅行需要を牽引するのはアジアだ」と力を込めた。国際航空運送協会(IATA)の予測として、2023年から2043年の航空旅客数の年平均成長率(CAGR)はアジアが世界最高の5.3%であることを示し、同社としてアジアへの投資を一層強化する考えを強調した。

デルタ航空は、現在、米国内で260都市以上のネットワークを展開。アジア路線では、大韓航空との共同事業によって仁川国際空港経由での米国乗り継ぎの利便性を高めている。

ムーモー氏は「アジアと米国間のアクセスをよりスムーズにし、顧客に世界水準の移動体験を提供する」考えを強調。具体的には、仁川/アトランタ線で開始している国際線から国内線への乗り継ぎ時の手荷物再預け入れが不要になる新サービスを、2026年には羽田線でも導入する準備を進めていることを明らかにした。

アジア太平洋地域担当副社長のジェフ・ムーモー氏

グローバルセールス担当上級副社長のボブ・サマーズ氏は、先ごろ発表された2025年第3四半期(2025年7~9月)の業績について、「非常に良い結果」と評価。さらなる成長に向けて、今後、「顧客体験をより一層良いものにしていきたい」と意気込みを示した。

顧客体験を高める上で、重視しているのが空港でのサービスだという。コロナ禍にも積極的な投資をおこない、特に羽田空港で提供しているラウンジ「デルタ スカイクラブ」は、米国以外で唯一提供している上級ラウンジで、同社にとって重要な位置づけであることを強調した。

機内では、個室型でプライベート性の高いビジネスクラス「デルタ・ワン スイート」を展開。2026年には、米国内線及び大西洋路線で無料提供している高速Wi-Fi(Viasat)をアジア路線でも提供する予定だ。

同社では2025年6月にソウル/ソルトレイクシティ線に就航し、2026年に香港/ロサンゼルス線で新規就航を予定している。現在、羽田からはアトランタ、デトロイト、ロサンゼルス、ミネアポリス、シアトル、ホノルルの6都市へ毎日運航しており、アジア路線でのネットワーク拡大に引き続き取り組んでいく。デルタ航空は今後もアジア市場を成長エンジンと位置づけ、羽田を拠点にネットワーク拡大と顧客体験の刷新を加速させる方針だ。

グローバルセールス担当上級副社長のボブ・サマーズ氏