
グーグル(Google)は、開発者向けに提供しているAIモデル「Gemini API」にGoogleマップのグラウンディング(Grounding)機能を追加した。これにより、Geminiの推論機能をマップ上の2億5000万以上の地理データと連携させて、AIによる回答と位置情報を結びつけた精度の高い回答を生成することができるようになる。グラウンディングとは、AIが生成する回答を検証可能な情報源(ここではGoogleマップ)に基づいて精度を向上させる仕組み。
Googleマップからは、位置情報に基づくリアルタイムのデータを提供。営業時間、住所、評価などが提供され、レビューやGoogleマップのデータからパーソナライズされた地域密着型のおすすめや「場所に基づいた回答」も提供される。
Googleが公開したデモ動画では、ユーザーが自然言語の音声クエリを使用してマップを操作し、会話形式で素早く結果を確認している様子が表示されている。
GoogleマップとGoogle検索のグラウンディングの組み合わせについては、Googleのブログで「例えば、『ビールストリートでのライブミュージック』について質問された場合、マップデータから会場の営業時間を、検索データから夜のショーの具体的な開始時刻を見つけることができる」と説明している。組み合わせることで、どちらか一方のみを使用する場合と比較して、回答の質が大幅に向上することが期待されている。
こうした動きは、まさにGoogleにしかできないこと。旅行業界は、ブッキング・ドットコムなどを活用した軽量なChatGPTプラグインよりも注目すべきだ。Googleは密かに、旅行の発見と計画のためのAIオペレーティングシステムを構築しているのかもしれない。
このGoogleの動きは、旅行分野向けに最近リリースされたAIツールに続くもの。OpenAIはChatGPT内のアプリをリリースし、エクスペディアとブッキング・ドットコムが最初のパートナーに名を連ねた。また、エクスペディアは、ダウンロード可能なAIアシスタント兼ブラウザであるCometのリリースでPerplexityと提携するなど、AIとの連携が加速している。
※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:Google launches Google Maps in Gemini API