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米国250以上の空港で「iPhone身分証提示」が可能に、アップル社が新機能、パスポート情報から作成する「Digital ID」を提供開始

Apple社は、米国パスポートの情報を活用してApple WalletでIDを作成する「Digital ID」の提供開始を発表した。この「Digital ID」は、Apple Wallet内に作成・提示できるデジタル形式の本人確認手段。まず、米国250以上の空港のTSAチェックポイントで、米国人の国内旅行時の対面による本人確認向けにベータ版で提供する。今後、Digital IDの受け入れ場所がさらに拡大される予定。

「Digital ID」は物理的なパスポートに代わるものではなく、海外旅行や国境通過の際に米国パスポートの代わりに使用することはできない。

Appleは、2022年に米国で運転免許証または州発行の身分証明書をApple Walletに追加できる機能を導入している。

Apple Walletへの追加方法

Apple Walletへの「Digital ID」を追加するには、まず、iPhoneのWallet画面上部にある「追加(+)」ボタンをタップし、「運転免許証または身分証明書」を選択。次に「Digital ID」を選択し、画面の指示に従って設定と認証プロセスを開始する。

次に、iPhoneを使ってパスポートの写真ページをスキャンし、データの真正性を確認するため、パスポート裏面に埋め込まれたICチップを読み込ませる。その後、認証のために自撮り写真を撮影。さらに、セキュリティ対策として、設定プロセス中に顔と頭の動きを数回行うように求められる。

報道資料より「Digital ID」の利用方法

利用にあたっては、Apple Walletにアクセスし、「Digital ID」を選択。iPhoneまたはApple WatchをIDリーダーにかざし、要求された情報を確認した上で、Face IDまたはTouch IDで認証する。

将来的には、ユーザーはさまざまな企業や組織に「Digital ID」を提示して、本人確認や年齢確認を受けることができるようになる。

「Digital ID」は、Apple WalletのすべてのIDと同様にiPhoneあるいはApple Watchに組み込まれているプライバシーとセキュリティ機能を活用し、改ざんや盗難から保護。「Digital ID」は暗号化されるため、Appleは、ユーザーがいつ、どこでIDを提示したか、またどのようなデータを提示したかを把握することはできないとしている。「Digital ID」の表示も、Face IDまたはTouch IDによってユーザーのみがおこなうことができる。

運転免許証または州発行の身分証明書をApple Walletに追加する機能は、米国内12州とプエルトリコで利用が可能になっている。また、日本ではApple Walletにマイナンバーカードを追加する機能が国際的に初めて導入された。日本のユーザーはiPhoneを使って、行政サービスやオンラインでの本人確認にマイナンバーカードを利用できるようになっている。