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HISとスカイスキャナーが語った日本人の海外旅行トレンド、「航空予約の早期化」から「メリハリ」まで

旅行比較サイトのスカイスキャナーとエイチ・アイ・エス(HIS)は、2026年の日本人の海外旅行トレンドをデータから読み解くトークセッションを開催した。スカイスキャナーは、ロジカルにコストパフォーマンスを最大化する旅のスタイル「ロジタビ」を提唱。HISは、旅の「メリハリ」を旅行者の傾向として挙げるとともに、AIを活用したパーソナライゼーションに意欲を示した。

2025年に見えてきた新たなトレンド

両社は、まず、2025年を振り返った。スカイスキャナー・ジャパン・コマーシャルリード/トラベルエキスパートの岡田健太郎氏は、2025年のキーワードとして「共有体験」を挙げ、「アートやスポーツを目的とした旅、あるいは心と体をリフレッシュするリセット旅行など、体験そのものを誰かと共有する旅が広がった」と指摘した。

また、HIS海外個人旅行営業本部 海外旅行事業部FITグループ グループリーダーの向井喜代孝氏は、2025年の海外旅行の特徴として、まず「航空予約の早期化」を挙げ、インバウンドの増加によってアウトバウンドの座席確保が切迫したこと、間際での価格高騰が背景にあったと説明した。また、「旅の中身へのこだわり」も傾向として挙げ、「特に欧州では、知的な体験にお金をかける旅行者が増えた」と振り返った。さらに、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラスの利用が明らかに増えたとし、「移動時間の贅沢化が進んだ」と説明した。

スカイスキャナーの岡田氏

2026年の海外旅行者の傾向は?

2026年の展望として、岡田氏は「個人の嗜好がさらに多様化して、自分らしさを重視した旅が主流になる」と見通したうえで、「旅は自分の価値観やライフスタイルを表現する手段へ進化していく」と指摘した。

スカイスキャナーの最新調査によると、海外旅行について66%が「心理的負担を感じる」と回答。その最大の理由が「費用が気になる」(74%)だったことを受けて、岡田氏は「納得感を生む確かな数字こそが、今の旅行者の背中を押す最大の要因になる」とし、データに基づいて意思決定し、ロジカルにコストパフォーマンスを最大化する旅のスタイル「ロジタビ」へシフトしていくとの考えを示した。

一方、HISの向井氏は、岡田氏の考えに賛同したうえで、「移動や滞在費を賢く抑えたいというメリハリを効かせたいという傾向がある。譲れない部分と削る部分を自由に組み合わせるニーズがあるのでは」と話した。

HISの向井氏

AIの活用も積極的に

さらに、両者はAIの活用についても言及。岡田氏は、OpenAI やマイクロソフトとの協力で、最適なプランを自律的に提案、実行するAIエージェントの開発を進めていることを紹介した。そのうえで、「AIで予約をするということに関して不安を感じているという調査結果も出ている。スカイスキャナーとしては公平な比較という透明性を守ることも引き続き重視していく」とした。

向井氏は、HISでは店舗とデジタルの融合を強化していると説明。オンラインで検索をした後に実店舗に足を運ぶ動きが出ているとしたうえで、「ウェブ上の顧客の行動履歴をAIで分析し、その結果をコンサルタントが事前に把握することで、成約率も約5ポイントほど上昇している」と明かした。

このほか、岡田氏は、スカイスキャナーの新たな取り組みとして、ユーザーが指定した月ごとに平均価格が安い旅行先をランキング形式で表示する「最もおトクな旅先ナビ」を紹介したほか、航空券とホテルとのパッケージに対応する新機能を欧州から導入し、米国、アジア太平洋へと順次展開していく計画を明らかにした。