エア・カナダは、新たな戦略「New Frontiers」を発表した。カナダ人の旅行需要の多様化と拡大、国際線乗り継ぎネットワークの拡張、貿易の多様化を成長戦略として位置付ける。このほど来日した同航空路線計画・グローバルセールス担当副社長のアレクサンドル・ルフェーブル氏は、この戦略を通じて、改めて「真の世界トップ10航空会社を目指す」と力を込めた。
New Frontiers戦略では、2028年までに年間売上高300億カナダドル(約3.4兆円)を達成することを目標に定めた。目標達成のためには、今後、年率7~8%の成長が必要となる。また、180億カナダドル(約2兆円)の投資計画も発表した。機材、客室やラウンジのアップグレードに加えて、テクノロジーへの投資を進めていく。さらに、利益率の改善にも取り組む。戦略では、EBITDA率を2ポイント引き上げ、17%とする目標を掲げた。
米国路線の強化、季節の平準化
ルフェーブル氏は、成長戦略を推進する柱として4つの領域を挙げた。まず、米国への乗り継ぎ路線の強化。ルフェーブル氏は、「最近の米国市場は難しい状況にある」としながらも、「米国市場は依然としてエア・カナダにとって大きなチャンスであり、輸送量という点でも依然として高い水準にある。今後も米国市場の強化を続けていく」と話した。
また、米国以外の国際線ネットワークの拡張にも意欲を示す。「グローバルセールスでは、適切なネットワークと適切なスケジュールが必要。常に安定した接続と適切な価格でなければ、航空券は売れない」と説明。エア・カナダとしては、ハブ空港であるバンクーバー、トロント、モントリオールへの需要だけでなく、その3空港からの乗り継ぎの利便性を改めて訴求していく考えだ。
カナダ人需要の多様化と拡大に向けては、レジャー、学生、企業、VFR(友人・親族訪問)などあらゆるセグメントの需要の取り込みを強化していく。
さらに、季節により波がある需要の平準化にも取り組む。ルフェーブル氏は、「夏にカナダに人を呼び込むのは簡単だが、冬の需要に課題がある」としつつ、「将来に向けては1年を通じてカナダを売り込む方法を模索していく」と話した。
加えて、4つ目の柱はプレミアム戦略。ルフェーブル氏は、「プロダクトへの投資を継続し、プレミアムカスタマーに最高の体験を提供していく」と意欲を示した。
このほか、機材調達についても説明。エア・カナダは、長距離機材として新たにA350-1000型機8機の引き渡しを2030年後半から開始することを明らかにしている。さらに、同型機8機の追加購入権も新たに設定した。
発注済みのボーイング787-10型機については2026年第3四半期から受領が開始される。同型機は新しいビジネスクラスを搭載。ルフェーブル氏によると、2026年後半から2027年後半にかけて日本路線にも投入される予定だという。
「New Frontiers」戦略を発表するルフェーブル氏
関西線と札幌線の通年運航に意欲
ルフェーブル氏は、日本市場についても言及した。
日本路線については、羽田/トロント線、成田/バンクーバー・トロント・モントリオール線、夏季限定運航の関西/バンクーバー・トロント線に加えて、2026年12月17日から札幌/バンクーバー線を冬季限定で週3便運航する(札幌発は12月18日)。北米の航空会社では、エア・カナダが唯一北海道に飛ぶことになる。
この路線は、主にカナダからのインバウンド需要に応えるもので、ルフェーブル氏は「関西線と札幌線について、「できる限り早期に通年運航を目指す」と付け加えた。
エア・カナダの日本路線の輸送能力は、2023年から2026年にかけて34%増加した。旅客だけでなく、両国間の貨物輸送でも存在感を増している。ルフェーブル氏は、「成長戦略の推進、日本市場の拡大に向けては、多額の投資に加えて、パートナーシップが不可欠」と強調した。
※カナダドル円換算は1カナダドル114円でトラベルボイス編集部が算出