JTBグループは2026年4月1日、2026年度合同入社式を東京・渋谷区で開催した。今年度はグループ19社に409名が入社。1月に「『新』交流時代のフロンティア企業になる」と打ち出した長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」を発表後、初の入社式となった。
会場ではJTB代表取締役社長執行役員の山北栄二郎氏が、創立114年となるグループの歴史を振り返りながら、インバウンドが急成長する一方で情報・データが不可欠となるなど変化する時代におけるJTBグループの役割を語った。また、スペシャルゲストとしてアイドルグループ・CANDY TUNEがサプライズ登場。新入社員を前に「倍倍FIGHT!」をフルスロットルでパフォーマンスして鼓舞し、熱狂と笑顔に包まれた記憶に残る入社式となった。
デジタルの社会を実現しながら未来へ羽ばたいて
今年、創立114年を迎えたJTB。その歩みは日本の近代史そのものであり、1940年、杉原千畝氏が発給した「命のビザ」を持つユダヤ難民を、当時のJTB職員(当時のジャパン・ツーリスト・ビューロー。現JTB)とともに総力を挙げて救った史実もある。山北氏は、緊迫した情勢下で人の移動を支え抜いたことを現在のJTBが掲げる交流創造事業の原点として挙げつつ、「“The JTB Way”、世界中の人に感じてもらいたい感動のそばにJTBが一緒にいる、そのマインドを覚えていてほしい」と呼びかけた。
いま、社会は確実にAIとの共存が不可欠になっている。山北氏は「みなさんはデジタルネイティブ世代で、実際、旅行業の現場も予約を含めてデジタルで動いている。デジタル基盤を活かしつつ、人と組織、地域の出会いをつなぐ存在であってもらいたい。グループとしては『OPEN FRONTIER 2035』も発表しており、これから10年で社会はさらに変わるだろう。デジタルの社会をしっかり実現しながら、人、地球の価値を見ながら、未来へと向けてキャリアをつくっていってほしい」などと話した。
新入社員たちの熱い気持ち、変化を恐れない
新入社員の決意表明では、グループ各社の代表がそれぞれの抱負を発表。日本全体の稼ぐ力としての期待が増しているインバウンド事業を担うJTBグローバルマーケティング&トラベルの赤岩良紀さんは「日本には古来の歴史や文化、そして可能性があると信じています。私たちはプロフェッショナル集団として、その魅力を伝える、日本と世界を元気にしていきたい」と意気込みを語った。JTBグループの専門商社として今後、さまざまなソリューションを手がけることになるJTB商事の原田佳奈さんは「私たちは明るく前向きな姿勢を大切にし、宿泊施設の先にあるお客さまの満足度向上を目指し、変化を恐れず挑戦し続けます」と力を込めた。
また、情報とデータの透明化・体系化が進むなかでAIには超えられない多角的なインサイトの進化が求められるのが出版や経営コンサルティングだ。JTBパブリッシングの松野下笑吉さんは「生成AIの発展によって情報の進化が問われるいま、顧客に寄り添い続けてきた当社のサービスの価値をもとに、新たな交流社会の出現に貢献していく」、JTBが昨年買収したB2Bメディア企業の最大手であるNorthstar Travel Group(NTG社)との知の協業でも期待が集まるJTB総合研究所の網干大寛さんは「コロナ禍を経て、観光業界はまぶしすぎる光に照らされているが、さまざまな課題が顕在化している。持続可能で豊かな観光の実現に向けて未来の観光に貢献していきたい」と語った。
新入社員のステージ登壇時は、JTBグループ各社の役員とのタッチ、社員それぞれのパフォーマンスでも盛り上がった入社式。JTB代表取締役会長の髙橋広行氏は挨拶の際、「ともに頑張ろう」といった強い言葉で呼びかけ、会場のボルテージが一気に上がった。そして、新入社員の代表として挨拶したJTBの米田隼輔さんは「デジタル時代が急速に発展しているいまだからこそ、五感を活かしたリアルな体験価値を生み出したい」と力強く述べた。
JTB新入社員の代表として挨拶した米田隼輔さん、決意を力強く語った
こうした「熱」を重んじる姿勢は、同社が推進するコンテンツ戦略とも連動している。JTBは近年、アソビシステムとの協業などを通じ、日本のポップカルチャーを交流の新たな武器に据えている。式典のフィナーレ、報道陣も詰めかけるなかでサプライズ登場したのは、アイドルグループ・CANDY TUNEだ。ステージ上ではメンバーから、新入社員と同じ夢を追う世代として、これからの旅路を共に歩もうという熱いエールが贈られ、緊張感高まる入社式は一転、ライブ会場のような熱気に包まれ、披露された『倍倍FIGHT!』の弾けるようなリズムに合わせて、409名の手拍子が合わさり、笑顔が弾けた。