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旅行会社のインバウンド業務を進化させる一手とは? 個別対応が多い手配業務を劇的に変えるソリューションの仕組みを聞いてきた(PR)

「2030年に6000万人」の目標に向け、熱狂が続く訪日インバウンド市場。その舞台裏で、訪日ツアーの販売を手掛ける国内の旅行会社やランドオペレーターの現場では、日本人向けのツアー管理ツールでは対応しきれず、バックヤードはアナログな対応が余儀なくされているのが現状だ。

この構造的な課題を解決しようと、日鉄ソリューションズ(NSSOL)は2026年3月、インバウンド業務支援ソリューション「COCOTRA(ココトラ)」をリリースした。

社内業務を効率化する管理ツールとしてだけでなく、生成AIの活用や外部事業者とのシステム連携を視野に入れる。旅行業界出身者などで構成する開発チームが、訪日旅行の手配現場と未来を見据えて手掛けるソリューションとは? 中心メンバーに話を聞いてきた。

個別対応が多いインバウンドの手配業務

「国内旅行会社に対するヒアリングを重ねるなか、訪日インバウンド旅行における手配業務の意外な実情が見えてきた。中堅以上の企業であっても、業務の大半でExcelや紙、担当者の記憶に頼った属人的な運用がおこなわれている」。そう話すのは、COCOTRAをはじめ、同社の旅行業界向けソリューションの営業を担当する秀山脩氏だ。

インバウンド業務は、多言語対応だけでなく、10泊を超える長期滞在、ハラルをはじめとする宗教・文化への配慮など、標準的な国内旅行とは比較にならないほど個別の対応が必要となる。既存の基幹システムではカバーしきれず、各社は手作業での対応が必要となり、現場担当者が大量のファイルを抱えて奔走する光景が常態化している。

「需要が急増する一方で、業務の煩雑さが人手不足を深刻化させ、受注を見送らざるを得ないケースも多い。この機会損失をなくすことが、我々が解決すべき最大の課題と捉えた」と秀山氏は語る。

日鉄ソリューションズ ソリューション営業担当の秀山脩氏

COCOTRAのプロジェクトリーダーを務める鶴海陽子氏は「開発にあたり『ここにしかない旅行(トラベル)』を販売し、旅行に関わる人すべてをハッピーにするプラットフォーム、というコンセプトを掲げた。煩雑な手作業をデジタル化し、AIによるコース生成や海外旅行会社とのシステム連動を通じて、業務を抜本的に効率化する。人手不足をシステムで補完することで、創出された時間を付加価値の高い企画へ再配分することを目指している」と話す。

同社では、旅行会社向けDX支援ソリューション「TRIPHOO(トリップー)」も販売している。その違いは、TRIPHOOが主に募集型企画旅行に特化しているのに対し、COCOTRAは受注型・手配旅行の業務プロセスに最適化されている点だ。訪日インバウンドに限らず国内の受注型旅行にも対応可能で、双方で旅行業務の全領域をカバーするねらいがある。

日鉄ソリューションズ COCOTRAプロジェクトリーダーの鶴海陽子氏

一元管理、現場目線のこだわり

COCOTRAは、3段階で開発を進めている。まず、2026年3月に、手配・精算業務の徹底的な一元管理、すなわち「手配の土台」をデジタル化する機能をリリースした。最大の特徴はツアーの行程と、そこに組み込むホテル、バス、駐車場、荷物業者といった個々の手配をシステム内で紐付け、それぞれのステータスを一覧で可視化した点にある。

「既存の旅行会社向けシステムは、予約の進捗管理が目的。バックヤード業務の効率化は重視されていなかった」と、COCOTRAの企画や旅行会社への導入サポートを担う旅行業DXコンサルタントの仲本優氏は指摘する。

旅行会社がツアーを作る際、仕入れ先の事情によっては電話やFAXといったアナログな対応が必要になる。「従来は、それを紙やExcelに起こし、ファイルにまとめて管理するため、複数の書面やファイルを見返さなければ状況が整理できなかった。この効率の悪さを解決したいと考えた」(仲本氏)。

COCOTRAのサービス概要。企画から精算まで一元管理

具体的には、事前にシステム上の「手配マスタ」に仕入れ先を登録。旅行会社の担当者は該当するサービスを選択するだけで、複雑な支払条件や原価情報が自動で紐付く仕組みを構築した。客室タイプごとの料金や担当者、消費税率などをあらかじめ設定できるため、転記ミスを防ぎ、手配の速度を上げることができる。

荷物配送業者など、インバウンド特有のカテゴリーまで網羅しているのも、旅行業界の知見が多い開発チームならではのこだわり。20泊や30泊などの長期ツアーでも手配内容を管理しやすく、かつカテゴリーごとに入力が可能な操作画面や使用感を追求した。

とはいえ、登録内容がずらりと並ぶだけでは確認しづらい。そこで「手配精算状況一覧」で、出発日やコース番号、手配の状態など、条件別に一覧を出し、そこから手配内容を編集できるようにした。“横串の管理”を可能にしたのも、COCOTRAの特徴だ。

さらに、手配情報と精算情報を別データとして保持したり、手配内容が確定しきれていない段階でも入力を進められたりする柔軟な設計も、実務に即して現場の負担を軽減するポイントだ。「[TV1.1]特にデータの保持については、手配時と精算時で担当や金額が変わったりするため、項目を分けて持ちたいという要望は多い。そこで手配内容をコピーしつつも、精算時に個別の調整を可能にする仕様とした」(仲本氏)。

日鉄ソリューションズ 旅行業DXコンサルタントの仲本優氏

AIで行程を提案、仕上げは旅行会社の知見で

第2段階では、2026年度中に、生成AIを本格的に活用した機能の提供を予定している。海外の旅行会社から英文で届く多種多様な形式の依頼メールをCOCOTRAに読み込ませると、AIが内容を解析。コース概要と行程案を提案する仕組みを開発中だ。

行程案を作成するために不足している情報があれば、AIがクライアントに確認するための英文メールを生成する。行程が決まれば、導入企業が決めた原価に沿って、AIが英文の見積書を作成する。なお、これらは英語以外の多言語にも対応できるようにする予定だ。

「AIは業務を肩代わりし、担当者の判断を加速させる存在。AIが作成した“叩き台”に対し、プロが知見を加えて100点に仕上げる。このプロセスによって旅行会社の業務負荷が軽くなり、企画提案のスピードと精度が大幅に向上する」と仲本氏は説明する。

AIによる企画提案機能の実現後には、主要なチャネルマネージャー(在庫・料金の一元管理システム)やサプライヤーなどとの外部連携も視野に入れている。チャネルマネージャーとの連携では、団体枠の在庫取得からリクエスト送信までを目指す。サプライヤーとの連携では、サプライヤー自身が「手配マスタ」に在庫や料金を登録。旅行会社がそれを見つけて企画に組み込める形をイメージしている。

鶴海氏は「旅行会社へのヒアリングでは、新しい商材を開拓したいが、現在の業務と並行して発掘するのは大変だという意見も多かった。海外旅行会社から要望される日本ならではの体験や地域交流などのタビナカ観光が充実したツアー企画を作成するための時間を捻出する一助にしたい」と説明する。

生成AIをコース作成に活用(開発中。画面はイメージ)。海外旅行会社からのメールを読み込ませるだけで、リクエストに応じたコース案を出す。内容も各項目に自動で反映する

訪日インバウンド旅行を盛り上げるプラットフォームに

契約から導入までは、最短約1カ月を想定している。料金体系は、月額固定モデルに加え従量課金(成果連動型)など、中小規模の企業やランドオペレーターにも導入しやすい柔軟なモデルを取り揃えている。「ユーザーの事業成長に伴走できるパートナーシップを築きたい」と秀山氏は語る。

さらに、第3段階として将来的に、海外の旅行会社・OTA向けに販売可能なプラットフォームの構築も検討している。

まずはITの力でバックヤードの“負”を解消し、クリエイティブな仕事に集中できるようにする。そして、各事業者が掘り起こした日本ならではの体験価値を、適切な価格で提供できるプラットフォームへと発展させる未来図を描いている。

鶴海氏は「それが結果として、訪日客に最高の体験を届けることにつながり、訪日インバウンド市場全体の底上げになると信じている。薄利多売の構造から脱却し、日本の旅行業界全体のプレゼンスを高めていきたい」と締めくくった。

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対応サービス:旅行業向けオールインワンソリューション COCOTRA(ココトラ)

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記事:トラベルボイス企画部

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