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ジェット燃料の高騰で航空減便が7万便超えに、欧州で旅行控えの傾向も、今夏の運航計画に大きく影響

中東情勢の緊迫化に伴い、世界の航空業界はジェット燃料の深刻な供給不足と価格高騰に直面している。航空各社は燃料コストの上昇を抑えるため、需要のピークである夏の旅行シーズンに向けて運航スケジュールの見直しを迫られている。

英航空データ分析会社シリウム(Cirium)のデータによると、2026年6月から9月まで期間、世界の航空会社のフライト減便数は7万2218便、座席供給減少は707万4016席にのぼることが明らかになった。これは、4月24日と5月4日の運航スケジュールのデータを比較したものだ。

2026年4月の座席供給能力を測る有効座席キロ(ASK)は前年同月比2.0%減となり、5月の運航計画も当初より下方修正された。実際に、世界の大手航空会社20社のうち19社が5月のフライト削減に踏み切っている。

シリウムのAviation Consultantである曽我部敏光氏は、イラン情勢が解消に向かっていない現状を踏まえると、ホルムズ海峡閉鎖の長期化によるジェット燃料不足や価格高止まりを覚悟する必要があり、今後もさらなる減便は避けられないとコメントしている。削減の対象となっているのは、搭乗率の低いオフピークや週半ば、深夜便のほか、燃料調達自体が困難な都市・国を中心とした路線だという。

また、曽我部氏によると、欧州域内など一部地域では旅客がリスクを感じて渡航を控える動きも見られる。全体的には運賃が高騰する傾向にあるものの、路線によっては皮肉にも値下げに踏み切るエアラインも出てきている実態も明かした。

現在、足もとでは米国の大手航空3社、ルフトハンザ航空などの減便が伝えられている。今夏、7~9月の状況は、さらに減便が進む可能性もあるが、キャンセル決定が間際になることもあり、状況がみえるのは少し先になりそうだ。夏の多客期に向けて、各社の最終的な運航判断が注視される。