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日本政府観光局、富裕層誘致に向けた商談会を大阪で初開催、16カ国40社の海外バイヤーが来日

日本政府観光局(JNTO)は、高付加価値なインバウンド旅行の推進に向けた取り組みとして、訪日旅行を扱う海外の有力な旅行会社と国内の観光事業者をつなぐ商談会「ジャパン・ラグジュアリー・ショーケース(Japan Luxury Showcase2026)」を大阪で開催した。2017年から実施している同商談会を大阪で開催するのは今回が初めて。2025年の大阪・関西万博を契機に大阪でラグジュアリーホテルの開業が相次いでいることなどを踏まえたものだ。

※写真:ウォルドーフ・アストリア大阪での商談会の様子

観光庁が定義する高付加価値旅行者とは、国際航空券代を除く訪日旅行1回あたりの1人の総消費額が100万円以上の旅行者。JNTO市場横断プロモーション部長の藤内大輔氏は、メディア向けの概要説明で「旅行を通じて自分の知識を深めたり、インスピレーションを得ることを重視する傾向がある」と説明。旅行経験が豊富で、社会的な影響力を持つ層を想定しているとした。

JNTOでは、高付加価値旅行の推進に向けて、魅力あるコンテンツ、上質な宿泊施設、人材、海外有力旅行会社とのコネクションなどに課題があると整理。2023年度から専門チームを設け、特に海外旅行会社とのネットワークづくりを中心に取り組みを進めている。

大阪で初開催、16か国40社の海外バイヤーが参加

今回の商談会には、海外バイヤーとして16カ国から40社が参加。国内側からは、ラグジュアリーホテル、DMC、交通事業者など60社が参加した。海外からは欧米、豪州に加え、今回はアジアからシンガポールの旅行会社も招いた。

開催時期は、これまでの2月から5月に変更。藤内氏はその理由について、冬季は北日本などで天候の影響により視察が組みにくいことに加え、「モデル観光地の中でもグリーンシーズンを売っていきたいという要望があった」と説明した。

また、商談会に先立ち、観光庁のモデル観光地を中心とした10コースの視察ツアーを実施。海外旅行会社からの参加者が歴史・文化、職人の技、自然アクティビティなど、多様なコンテンツを体験した。

東北海道では、知床半島のウトロクルーズ、屈斜路湖でのカヌー、アイヌ文化に触れるガイドツアーなどを実施。藤内氏は、屈斜路湖でのカヌーについて「大自然を独り占めしているような、非常にエクスクルーシブな体験だったという感想をいただいている」と紹介した。

山形では、「山伏の精神と侍の文化に触れる旅」をテーマに、羽黒山での修行体験や居合抜刀術体験、米沢の旅館での食体験などを組み込んだ。瀬戸内では、美術館併設の宿泊施設、瀬戸内海のプライベートクルーズ、上島町でのサイクリングなどを実施。宮島の鳥居を海側から見るクルーズについては、「非常に特別感のある体験だった」と評価されたという。

商談会の休憩時間にも熱心にコミュニケーションを図る参加者が多かった

地方への高い関心、国内ネットワーク強化も課題に

JNTOは、2026年度、高付加価値旅行の誘客に向けた取り組みで国内外の両面で取り組みを進めている。国内では、地方のDMO、自治体、宿泊施設、交通事業者、アクティビティ事業者などが提供するサービス内容を収集・蓄積。東京に拠点を置くDMCと地方のサプライヤーとの接点が十分ではないことから、国内ネットワーキングイベントを6回実施する予定だ。

海外では、富裕層顧客を持つ有力旅行会社やラグジュアリーコンソーシアムに対するセールスを強化する。具体的には、高付加価値旅行の代表的な商談会であるILTMへの出展に加え、米国系のVirtuoso(バーチュオソ)や欧州系のSerandipians(セレンディピアンズ)など、ラグジュアリーコンソーシアムが主催する商談会への参加、Virtuosoと連携した情報発信などを通じて、有力旅行会社とのネットワーク化を図る。

また、情報発信では、訪日未経験者や日本への関心がまだ高くない層に向けたデジタル広告のほか、アートをテーマにしたメディア招請、美術館などと連携したBtoCセミナーなども予定する。藤内氏は、高付加価値旅行者にはアートや美術館に関心を持つ層、寄付などを通じて文化施設と接点を持つ層も多いと説明した。

受け入れ面では、ガイド人材の育成も課題となる。高付加価値旅行者の高いニーズに適切に応えられるスキルを持つガイドが不足していることから、今年度はガイド向け研修も実施する予定だという。

2026年に入り、訪日旅行者数は伸びが鈍化しているものの、高付加価値旅行者は旅行費用の高騰の影響を受けにくい層でもある。また、海外の旅行会社からは、日本の地方を知りたい、リピーター向けに新しい地域を紹介したいという声が増えているとし、JNTOでは「まだ知られていないところを見たい」という地方へのニーズの高まりに手応えを示した。