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ウェルネスツーリズム市場規模、2029年には223兆円に、日本の茶道や温泉の検索も増加

米旅行調査会社フォーカスライトは、グローバル·ウェルネス·インスティテュート(GWI)のデータをもとに、ウェルネスツーリズム市場の現状についてのレポートをまとめた。フォーカスライトは、ウェルネスツーリズムは今や「数兆ドル規模の観光とウェルネスを掛け合わせた成長著しい巨大市場」と位置付けている。

GWIは、ウェルネスツーリズムを「個人の健康を維持、または向上させることを目的とした旅行」と定義している。これは医療ツーリズムとは異なる分野だ。GWIは、ウェルネスツーリズムを健康を維持し、幸福感を高める積極的なステップと捉えている。

ウェルネスツーリズム市場は急速に成長を遂げている。その市場規模は、2012年の4380億ドル(約70兆円)から2024年には8940億ドル(約142兆円)へと倍増し、コロナ禍前と比較して36%も拡大した。2029年までには1兆4000億ドル(約223兆円)に達すると予測されている。その年平均成長率(CAGR)は9.1%だ。

ウェルネスツーリズムは、再生型観光や持続可能な観光と掛け合わせて推進されており、心身の健康に加えて、旅行先そのもののウェルネスも重視されている。

ウェルネスツーリズムの市場規模(出典:フォーカスライト)

高まるウェルネスに対する関心と需要

GWIは、ウェルネス旅行者を2つのタイプに分類している。一つは旅行の主な動機がウェルネスである旅行者、もう一つは旅行中に自身のウェルネスを維持する方法で過ごしたり、ウェルネス体験に参加したりする旅行者だ。

GWIの調査によると、2025年には、欧州と米国の消費者の約1割がウェルネス目的で旅行し、ドイツ人旅行者の最大4分の1がスパ/ウェルネス体験に参加した。

また、マッキンゼーの「2025年ウェルネストレンドの未来」調査によると、米国消費者の84%がウェルネスを「最優先事項」または「重要」と回答。その割合は英国では79%、中国では94%となった。

ウェルネスツーリズムは支出の底堅い分野でもある。マッキンゼーの調査では、景気後退期においても、消費者は衣料品や娯楽費よりもウェルネス関連の支出を削減する可能性が低いと回答している。

ウェルネスツーリズムでは対面による体験が好まれている。米国消費者の56%がウェルネスリトリートのために2時間以上かけて旅行したと回答。また、2024年に健康·ウェルネス目的に旅行した消費者の60%が、2025年も同じ目的で旅行する予定と回答した。

旅行にリフレッシュを求める動きも見られる。ヒルトンの2026年トレンドレポート 「The Whycation: Travel’s New Starting Point(ワイケーション:旅行の新たな出発点)」では、旅行者の56%が旅行の最大の動機として「休息とリフレッシュ」を挙げた。米国人旅行者は、自然体験型リトリート(67%)、スピリチュアルリトリート(60%)、瞑想・静寂リトリート(56%)に強い関心を示した。

マインドフルネス(この瞬間に起きているものごと、ありのままを受け入れる精神状態)、スパ、地熱リゾートへの関心も高まっている。トリップ·ドットコムとGoogleの「Why Travel?」レポートによると、2025年上半期にはウェルネス関連アクティビティの検索数が増加。「日本の茶道」の検索数は前年比53%増、「スパ体験」は同140%増、「オールインクルーシブ·スパ」は同250%増、「ゴルフ&スパリゾート」は同300%増、「日本の温泉」は同20%増となった。

このほか、ウェルネスはレジャー旅行だけにとどまらない。オーストラリアでは、ウェルネスをインセンティブ旅行の旅程に取り入れることで、生産性、エンゲージメント、顧客維持率の向上を目指す傾向も見られる。

※ドル円換算は1ドル160円でトラベルボイス編集部が算出

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスライト(Phocuswright)」から届いた英語レポートを、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:Wellness tourism hits $894B and the real growth is still ahead