米国商務省の国立旅行観光局(NTTO)の最新データによると、FIFAワールドカップは2026年6月の米国へのインバウンド市場全体を押し上げるまでには至らなかったようだ。
米国外からの6月の総旅行者数は、前年同月比1.8%減の約280万人。前年の6月も前年同月比で3.4%減少していた。また、航空便で到着した外国人旅客数は0.2%の増加にとどまった。
ワールドカップは、米国11都市、メキシコ3都市、カナダ2都市の計16都市で開催されており、特定の市場からの旅行者は増加した。英国からの訪米旅行者数は前年同月比16.9%増、エクアドルは54.9%増、コロンビアは21.4%増となった。ただし、6月に米国で試合を行った代表チームの出場国すべてで、増加がみられたわけではない。
データによると、ブラジルからは同10.3%減、フランスからは同15.3%減、ドイツからは同20%減。また、イタリア(18.7%減)、アルゼンチン(15.6%減)、アイルランド(10.1%減)、韓国(30.9%減)など2桁減少した市場も見られた。
NTTOの暫定統計には、メキシコとカナダからの旅行者数は含まれていない。ただ、カナダ統計局のデータによると、2026年6月の米国からのカナダ居住者の帰国数は同3.2%増となったが、2024年6月と比較すると同28.7%減少となった。
開催都市の多くでホテルの客室稼働率は低下しているものの、実際に訪れた旅行者はより多くの支出を行う傾向にあり、ホテル側からは客室単価や客室あたりの収益(RevPAR)の増加が報告されている。また、バンク・オブ・アメリカの報告によると、6月10日から7月5日までの期間中、ワールドカップ開催都市におけるクレジットカードおよびデビットカードの総利用額は前年同期比5%増となった。
大会は7月19日に幕を閉じる。終盤戦に向けて需要が高まるとの予想もあり、7月の実績が待たれるところだ。
6月の航空旅客数も減少
6月の米国発着の総航空旅客数を見ると、同1.6%減と微減となった。米国・欧州間の航空旅客数は、同0.6%減の約820万人。中東、南米、中米、カリブ海地域を結ぶ路線でも前年同月を下回ったが、アジア路線は同1.2%増となった。
政府のデータによると、ニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミ、サンフランシスコなどワールドカップ開催都市では、国際線旅客数が増加した。欧州からの米国行きの航空ハブとなるロンドン・ヒースロー空港は、ワールドカップ期間中に北米行きの旅客数が増加したことを明らかにしている。
※編集部注:この記事は、米·観光専門ニュースメディア「スキフト」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳·編集したものです。
オリジナル記事: No World Cup Bump: U.S. Tourism Down in June
筆者:Bailey Schulz氏、Rashaad Jorden氏
