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AI時代こそ「人と人」の交流に価値、太平洋アジア観光協会(PATA)がセミナー、世界とつながるネットワークの意義を共有

太平洋アジア観光協会(PATA)日本支部は2026年9月25日、ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)2026会場内で、旅行業界向けのセミナーを開催した。会員である地域DMOによる活動事例の発表や、観光の未来を探るパネルディスカッションを通し、AIや通信技術が進化するこれからの時代こそ、人と人とのネットワークが重要であるとの認識を共有した。

PATAは大手の旅行会社や航空会社、ホテルにとどまらず、地方自治体やDMO、バス事業者、飲食店、体験事業者、教育機関など、業種や規模の多様な事業者・組織が加盟する業界横断的な団体だ。「太平洋アジア」の名を冠するが、欧米やアフリカなどを含む世界64カ国地域の会員が加盟するグローバルな組織である。

会長のヘンリー・オー・ジュニア氏(韓国:グローバルツアー会長)は、1962年に加盟した自社の歴史に触れつつ、1965年の日韓国交正常化前後からPATAで関係を構築した日本の旅行業者と両国のイン/アウトバウンドの基盤を築いてきたことに言及。AIや通信技術は「便利な道具に過ぎない」と述べたうえで「現地で五感を使い、人と人が触れあう『People to People』こそが、観光のコアバリューだ」と訴えた。

日本支部長の石田恒夫氏(JTBグローバルマーケティング&トラベル代表取締役社長)も、PATAが異業種間の交流や議論を通じて、新たな価値を生み出す場であると強調。「AIは作業を効率化するが、最終判断をし、差をつくるのは人間。AIの時代だからこそ、人や地域、世界をつなぐ観光が、時代を支える大切な産業になっていく」と話した。

会長のヘンリー・オー・ジュニア氏

中小事業者や次世代こそ世界へ

セミナーでは本格的なインバウンド拡大期を迎える今、地域が世界と直接つながり、存在感を示す場としてPATAを活用する意義も語られた。

地域DMOである、するが企画観光局の事業部参事、石田太一郎氏は「PATAを世界の観光産業とつながるための入り口と捉えて活動している。単なる商談にとどまらず、継続的な交流を通じ、地域のブランド向上と実際の送客につなげている」と話し、ネットワーク活用の実効性を示した。

また、日本唯一の学生支部である和歌山大学学生支部が登壇。SNS分析を活用した旅行情報の発信や海外大学との国際交流、PATA本部での発表など、次世代の観光人材による自発的な活動を紹介した。

パネルディスカッションでは、DMO、民間シンクタンク、大学、海外政府観光局など多角的な立場の登壇者が集結。拡大するアジア太平洋市場の動向をはじめ、持続可能な地域づくり、災害や紛争に対するレジリエンス、産学官の連携による人材育成などについて意見が交わされた。

PATA日本支部事務局長の谷村浩志氏は、今後も会員間ネットワーキングの強化や海外支部との交流を推進し、日本の会員に対するビジネス機会創出や地域の認知向上につなげていく方針を示した。