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八重山諸島が挑むタビナカ観光DX、インバウンドや個人旅行者の周遊を促進、NECが伴走支援する諸島型観光のプラットフォームとは?(PR)

沖縄県・石垣島を起点に離島航路を運航する八重山観光フェリーは、地域全体が潤う持続可能な観光を目指している。インバウンドをはじめ、増加する個人旅行者のニーズに対応するためだ。

その実現に向けて、同社は地域の観光DXが不可欠と考え、日本電気(NEC)のシステムを活用。八重山観光の交通の要である同社が旗振り役となり、地域事業者を取りまとめてタビナカ商品の予約・決済が可能な販売サイトを開設した。その取り組みと効果、今後の展望を聞いた。

八重山観光の現状と課題とは

八重山観光の最大の特徴は、石垣島を玄関口に竹富島、西表島、小浜島などの各離島を巡る周遊観光にある。伝統的な集落、大自然、リゾートなど、島ごとに異なる多様な魅力が強みだ。

八重山観光フェリー常務取締役の花城保人氏は「ここ数年で個人旅行がかなり伸びている。コロナ後に台湾、香港、韓国などからの国際線が再開し、クルーズ船の寄港が回復しているため、インバウンドもさらに増えていくだろう」と現状を分析する。現在、石垣島を訪れる多くの観光客が定期航路を利用し、八重山の島々へ足を延ばしているという。

観光の回復は、地域に新たな課題ももたらしている。従来の八重山観光は、旅行会社が企画する「沖縄離島めぐり」などのパッケージツアーや現地発着のオプショナルツアーが主流で、集客もそうしたツアーに依存していた。しかし近年は、個人旅行の増加やデジタル技術の普及に伴い、旅行者自身がホテルや観光・体験、交通手段を選び個別に予約する傾向が強まっている。そのため、地域全体で旅行者のニーズに応じた情報発信やオンライン販売への対応が求められている。

また「人材確保」も深刻だ。石垣島内には通学制の大学がなく、進学で島外へ出る若者が多いため、島内での人材確保は「限界がある」(花城氏)。特に船員は海技従事者の資格を要するため、採用ハードルが高いという。

そのなかで、「地域交通の不足も顕著になっている」と、花城氏は明かす。クルーズ船が寄港すると島内のバスやタクシーが貸し切り状態となり、一般の観光客や地元住民の利用に支障が生じることもあるという。

八重山観光フェリーは、石垣島と竹富町の島々を結ぶ定期船を1日約60便(往復)運航しており、通院や買物など離島住民の生活を支える「足」としての役割もある。花城氏は「定期船として地域に密着し、要望に応えられる運航便数を維持することも私たちの使命」と話す。現在、利用客の約7割を観光客が占めており、観光客の利便性向上が島々の経済を潤し、住民の日常の利便性を支える構造となっている。

八重山観光フェリー 常務取締役(旅客事業・船舶運航・貨物担当)の花城保人氏

移動と体験をつなぐ観光DXとプラットフォーム構築へ

こうした観光需要の変化や地域課題に対応し、「八重山地域全体がうるおう、持続可能な観光地域」を目指して始動したのが「八重山観光DXプロジェクト」だ。

地域内には、オンライン予約やキャッシュレス決済に積極的な事業者がいる一方、電話予約や紙の台帳で管理をする事業者も少なくない。花城氏は「個人旅行やインバウンド客はオンライン予約が主流となるなか、アナログで運用されている事業者もサポートし、システムを広げていくことが重要」との考えを示す。

また、本プロジェクトには、旅行者のニーズに応えるねらいもある。離島の結節点である同社には、日頃から「この島には何があるのか」「フェリーはバスと接続できるのか」といった問い合わせが多く寄せられていた。旅行者が必要な情報を得て、移動や体験を自由に組み合わせた観光ができれば、八重山での体験の満足度が向上するとともに、観光地への来訪時間の分散も期待できる。

「一つのサイトで八重山の交通や観光の全体像が分かり、旅行者がすべて解決できる環境を作りたいという思いが根底にあった。単なる情報提供にとどまらず、モデルコースなどを通してタビナカの過ごし方を柔軟に提案し、旅行者と各地の事業者をつなぐ『地域の総合ポータル』を目指した」と花城氏は振り返る。

このビジョンの実現に向け、同社は2024年3月頃からNECと協業を開始。2025年4月に地域事業者の観光商品を集めた販売サイト「DISCOVERいしがき島、やえやま」を本格稼働した。地域の各事業者が自社商品を、プラットフォーム上でオンライン販売できるようにしたもので、NECが基盤システムを提供。八重山観光フェリーが地域の取りまとめ役となる形で構築された。

まずは「移動手配のシームレス化」を優先し、石垣空港と港を結ぶ直行バスと各離島へのフェリーの販売から運用を開始。現在は各島の島内交通や観光施設、アクティビティなど、10社以上の地元事業者が参画している。

販売サイトの商品一覧ページ。各事業者の自社商品として登録販売が可能だ。販売サイトを見てイメージがわき、デジタル販売をはじめた事業者もいるという

伴走型サポートで予約数が数十倍に、地域特有の課題解決も

プラットフォームの構築でこだわったのは、旅行者目線の導線設計と、地元目線のコンテンツづくりだ。販売サイトに加え、地元の人々がすすめる観光情報やモデルコースなど、旅行者が知りたい情報を発信する観光ポータルサイト「おきなわ観光ナビ『DISCOVERいしがき島、やえやま』」も開設した。旅のイメージを膨らませる情報発信から予約購入へと、シームレスにつなぐ設計だ。

観光ポータルサイトは、伴走支援をするNECと八重山観光フェリー、地元の制作会社による三者協働で制作。NECの米原氏は「八重山観光の核となる『船による離島周遊』を直感的に伝えるため、まず全体図を打ち出し、そこからフェリーチケット、島での観光・体験、帰りのチケットへとシームレスに予約できる導線を設計した」と説明する。

すでに成果も出ている。魅力的なコンテンツを持ちながらオンライン予約につながっていなかった事業者では、販売導線を見直した結果、予約数が以前の数十倍になったケースもある。

導線設計には、NECがひがし北海道をはじめ、各地の観光DXで培った知見がいかされている。「情報を予約につなげるべく、各地の事例を紹介しながら徹底的にディスカッションを重ねた」と、米原氏は振り返る。

観光ポータルサイトでは、販売商品を使った離島観光のモデルコースを目安の時刻とともに掲載。予約ページへのリンクも用意八重山ならではの「切実な課題」にも対応している。台風や荒天で船が欠航した際、従来は各事業者がキャンセルに伴う電話連絡などを一件ずつ、手作業で処理していた。「フェリーが止まれば島のアクティビティもすべてキャンセルになる。この業務を効率化するため、システム上で一括キャンセルができる機能を開発した」(米原氏)

さらに、事業者の要望に応え、需要に応じたダイナミックプライシングや旅行会社向けのBtoB販売への対応など、事業者の利便性を高める機能の強化も進めていく。デジタル化に不安を持つ事業者には、納得してはじめられるよう、無理なく伴走していくことも重視している。

日本電気(NEC) イノベーションラボラトリ領域 プロフェッショナルの米原陽介氏

地域全体が潤う「持続可能な観光地域」を目指して

八重山地域では、観光が古くから地域経済の一部に組み込まれてきた。花城氏は「自分たちだけが儲かればいいとはまったく思っていない。観光客が訪れなければ島々は潤っていかない」と話す。各事業者のデジタル化を支え、観光の恩恵を届けたいと考えるのは、島々に観光客を運んできた八重山観光フェリーの使命感そのものだ。

NECの米原氏も「島々をつなぐフェリー会社が旗振り役となることが、プロジェクトの最大の肝。地域特有の事情があるなかで、八重山観光フェリーとともに地元の事業者と対話を重ねながら課題解決を進めている」と話す。

観光ポータルサイトの冒頭では八重山の島々の位置関係が分かるように示し、各島の魅力を紹介。旅行者が全体像からイメージできるように設計されている今後は飲食、買物、伝統文化の体験など、八重山の多種多様な商品を掲載していく方針だ。日本語、英語、台湾繁体字の多言語表示に対応しており、ターゲットに応じたモデルコースの掲載も拡充していく。

「理想は、このサイトですべてが完結する『八重山地域の観光プラットフォーム』になること。全地域の交通と観光・体験をつなぎ、インバウンドを含む個人旅行者に必要な情報を適切に届けていく。旅行者がより自由に旅を組み立て、予約購入まで完結できる仕組みを整えることで、八重山の各地に観光を広げていく。自分たちだけでなく、地域住民の暮らしも守りながら、観光の恩恵が地域に行き渡る仕組みを作っていきたい」(花城氏)

地域と観光客の双方を見据えた八重山の観光DX。離島を結ぶフェリー会社が起点となって進めるこの取り組みは、諸島地域における持続可能な観光地経営の新たなモデルケースとなりそうだ。

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問い合わせ先:gias-support@nes.jp.nec.com

記事:トラベルボイス企画部