「後ろ倒しGW」の利用者92%が満足、国内旅行が45%、海外旅行15% ― 休日分散化推進事務局

日本交通、ベネッセコーポレーション、ベネフィット・ワン、星野リゾート、ポピンズの5社が運営する休日分散化推進事務局は、星野リゾートを除く運営会社の従業員を対象に実施した「後ろ倒しGW」の利用者意識と動向をまとめた。この試みは、通常のゴールデンウィーク(GW)期間に出勤し、後日連休を取得することを会社として推奨する取組み。割高な宿泊料金や混雑等の理由でGWの外出や旅行を控えている従業員の消費や旅行意欲を喚起する目的で実施された。

「後ろ倒しGW」とは、祝日となる4月29日と5月5日、6日の3日間すべてを出勤した従業員に対して、5月12日、13日、14日の3日間を後ろ倒しGW(土日を含めて5連休)とするもの。「後ろ倒しGW」を選択するか否かは従業員が選択できるものとし、取得した従業員は運営企業が用意する宿泊施設の割引や保育サービス等の特典を受けることが可能とした。

「後ろ倒しGW」の利用者の前後の意識変化を見てみると、「非常に期待していた」「期待していた」と事前の期待値が合計で73%と高かったが、実際に利用した後について見ると「大変良い」「良い」と回答した人は92%に達し、期待値を大きく上回る結果となった。また、「後ろ倒しGW」の利用者の 90%は「次回も利用したい」という回答した。

「後ろ倒しGW」 を選択した理由では、「後ろ倒しによる混雑緩和」が最も高く34%。また「後ろ倒しによる旅行などのGW価格帯の回避」が19%、「後ろ倒しにより仕事に取り組む気持ちに余裕ができると考えたため」が 16%と続いた。

一方、利用しなかった理由については、「家族の予定が調整できなかった」が最も高く29%。平日に子供が学校を休めないことや共働きなどが要因とみられる。次いで「仕事の都合で止むを得ないため」が28%と高かった。非利用者のうち、「後ろ倒しGW」の取り組みを「大変良い」と評価している方は31%、「良い」と回答した54%と合わせると85%が前向きな姿勢を示した。こうしたことから、事務局は外部環境の整備次第では利用者の増加につながるものとみている。

利用しなかった理由(休日分散化推進事務局プレスリリースより)

▼若い世代は低利用率、30・40代の利用者が多く

全体の45%が国内旅行、15%が海外旅行に

利用者と非利用者の世代別男女構成比については、利用者のうち 30 代が男性36%、女性 37%と高く、次いで 40 代が男 31%、女 27%となった。世代毎で男女の割合が近いことから、利用者は男女間で大きな意識変化はないと考えられる。 非利用者は、若い世代ほど利用していない割合が高く、逆に年齢が高くなるにつれてその割合が低くなった。その原因として、若い世代は社内の環境から率先して「後ろ倒しGW」を取得しにくく、また友人との休日が合わないことが考えられる。

休日分散化推進事務局:プレスリリースより

「後ろ倒しGWの過ごし方」については、20代では国内外へ旅行に行った割合が多く、30代では「自宅中心で過ごした」「実家に帰省」が多い結果となった。家族構成上、学生がいる家族は休日を合わせることができず遠出ができなかったと推察される。40代では「日帰り旅行に行った」割合が他の世代より多く、期間の短い連休を近場でのんびり過ごす傾向があらわれた。

休日分散化推進事務局:プレスリリースより

旅行先と宿泊数についての調査では、5 月12日~14日の3日間と短い連休だったこともあり、国内旅行先の宿泊数は各地とも 1〜2 泊が多く、北海道、沖縄や九州など飛行機移動を必要とする場所は 2泊、3泊、4泊以上となった。また、海外旅行の場合、「後ろ倒しGW」 期間が短かったことから、近場のアジアが一番多く、ハワイ、グアム/サイパンと続いた。

「後ろ倒しGW」期間のトータルの消費額は、20代では「3万円~5万円未満」が最も高かった。30代では「10万円~20万円未満」の割合が最も多かった一方、「3万円未満」も全世代で一番高く、家族構成によって消費額が大きく左右されることが伺えた。

なお、事務局広報によると、この取組みは来年も継続して行われる予定。今年は5社でのスタートだったが、来年は100社の参画を目標とするという。

(トラベルボイス編集部)

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