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北陸新幹線開業後の沿線で宿泊者数推移に明暗変化、富山は開業前以下のレベルに減少 -日銀分析

日本銀行富山事務所は、開業から2年目となる北陸新幹線の利用状況や交流人口推移をとりまとめた。JR西日本による統計では、開業後1年間(2015年3月~2016年2月)は利用者数が2倍から3.5倍と高い伸びを維持し、その後2016年4月~6月は前年比12%減を記録。ただし開業前の2014年と比較すると2016年4~7月は約2.4倍を維持。同報告書では新幹線利用者状況について「依然としてブームが継続している良い状況」だと分析している。

一方で、富山県内全体の延べ宿泊数は2016年に新幹線開業前のレベルを下回る結果に。石川県全体では2016年も継続して上昇傾向にある状況と対照的な結果となっている。

富山県と石川県の延べ宿泊者数推移は以下のとおり。

日本銀行富山事務所:発表資料より

同報告書では、富山県について「高水準の旅行客が来ているにもかかわらず、宿泊せずに他県に移動する、または早期に帰る」旅行者が多いと分析。ビジネス目的では日帰り客が増加している点が要因の1つと考えられ、観光客の比率が多い石川県と異なる結果につながったものとしている。富山県でも宇奈月温泉の宿泊数推移は2016年の高水位が継続しているという。