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宮崎県日南市・飫肥に築140年の武家屋敷を再生した温泉旅館、地元商店街と連携で地域交流機能も

京町家をリノベーションした高級旅館などを運営するNazuna、ホテル開発・企画を行うKiraku、飲食、インバウンド、イベントの各事業を手掛ける大地は、2020年3月に、宮崎県日南市の重要伝統的建造物群保存地区に温泉旅館「Nazuna 飫肥 城下町温泉 -小鹿倉邸-」を開業する。3社は地元の「飫肥商店会」と連携し、日南市が所有する空き家を宿泊と地域交流機能を兼ね備えた観光拠点に再生する新たな試みを進めている。

日南市の飫肥地区は、 飫肥城を中心に武家屋敷が保存されており、1977年には九州初の重要伝統的建造物群保存地区に指定された場所。周辺には「日本の棚田百選」に選ばれた坂元棚田や断崖の洞窟内に建つ鵜戸神宮といった観光スポットもあるが、宿泊施設が不足しているため、宿泊観光客の取り込みに課題があった。

「小⿅倉邸」は 築140年以上の母屋 (約350平方メートル )と離れの納屋 (約45平方メートル )を改修した全5室の旅館。客室は全て飫肥の特徴をテーマとしたコンセプトに、5室それぞれ異なるタイプとした。また、江戸時代から守られてきた佇まいを保存・継承するため、 建物外観の補修は最低限に留めた。

宿泊受付を行うレセプションスペースは地域交流機能も兼ね、飫肥の郷土料理や商店街で販売される商品の販売も行う。

また、小⿅倉邸の開業に伴って、Kirakuが企画・開発した既存の一棟貸しの宿「季楽 飫肥 勝目邸」と「季楽 飫肥 合屋邸」を小⿅倉邸に統合。小⿅倉邸の5室と合わせた全7室の新たな分散型旅館として営業を開始する。一棟貸しも含め宿泊客のチェックインは全て小⿅倉邸のレセプションスペースで行う予定。

客室「HONMURASAKI」 飫肥の町の⾊である紫を基調とした寝室と温泉露天風呂(報道資料より)レセプションスペース(報道資料より)