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日本人の海外旅行にも大きな影響、イタリア全土にも危険情報発出、旅行各社ツアーが軒並み出発中止に、新型コロナ影響で

新型コロナウイルスの脅威は、インバウンドだけでなく日本人の海外旅行にも及んでいる。韓国が2020年3月9日から日本に対する査証免除措置とすでに発給された査証の効力を停止したのに続き、中国が3月10日から観光、知人訪問、トランジットの3つについて15日間であれば査証を免除する措置を一時的に停止。タイは日本から帰国した学生に対し、14日間、教育機関への通学を停止するなど、現地駐在員の家族にも影響が出ている。

なかでも、今後、深刻化しそうなのが、日本の海外旅行市場の発展にとって重要なヨーロッパでの感染拡大だ。外務省は、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、スイスなどヨーロッパでも新規感染者が増加していることを受け、イタリアの一部(ロンバルディア州、ヴェネト州、エミリア=ロマーニャ州、マルケ州、ピエモンテ州)、サンマリノに感染症危険情報レベル3(渡航中止勧告)、その他のイタリア全土、バチカン市国に感染症危険情報レベル2(不要不急の渡航自粛)を発出した。

ロンバルディア州はミラノ、ヴェネト州はベネチアというイタリア屈指の観光地を擁する。JTBがルックJTBなど募集型企画旅行について、4月23日出発分までのレベル3、レベル2が発出されているイタリアや韓国、中国などへのツアーを催行中止。エイチ・アイ・エス(HIS)は中国・香港・マカオ、韓国全土、韓国乗り継ぎのベトナム行きツアーを3月31日出発まで、イタリア全土に宿泊、観光が含まれるツアーを4月26日出発まで催行中止とするなど、旅行各社も対応に追われている。また、スイス、スペイン、ドイツ、フランスについても、感染症危険情報レベル1(十分注意)が発出されており、予断を許さない状況となっている。