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日本旅行、2020年中間連結決算は大幅減収減益で純損失59億円、店舗休業やツアー中止など影響大きく

日本旅行が2020年8月28日発表した2020年6月中間期(2020年1月1日~6月30日)連結決算によると、営業収益が前年同期比60.4%減の100億6800万円にとどまった。営業損失は64億4100万円(2019年6月中間期は1億円の黒字)、経常損失は63億5200万円(同5億6500万円の黒字)に膨らみ、法人税などを控除した中間純損失は58億9500万円(同4億5500万円の黒字)だった。

同社をはじめとする旅行会社にとって、新型コロナウイルスの世界的流行は、外務省による海外各国への渡航中止勧告に加え、4月に日本政府から発出された非常事態宣言によって不要不急の外出自粛が要請されるなど、企業活動の前提が大幅に制限されるまさに未曾有の事態だった。

グループとしては、新中期経営計画「TRANSFORM 2025」の実現に向け、法人営業の強化やWeb販売の拡大、西日本を中心としたJRセットプランの拡充、海外企画旅行「マッハ・ベストツアー」50周年企画、イン・アウト双方向でのグローバル戦略に取り組んだが、新型コロナの影響で大きく減速。予約のキャンセルや延期などへの対応に加え、マッハ・ベストツアーの全催行中止、全店頭店舗の臨時休業を実施するなど、事業運営を大幅に縮小せざるを得ない状況に追い込まれた。

単体業績は、営業収益が前年同期比61.9%減の83億1600万円、営業損失が49億8700万円(同3400万円の黒字)、経常損失が48億600万円(同2億1700万円の黒字)、純損失が42億8300万円(同9000万円の黒字)だった。

第2四半期以降、受注なくなる

セグメント別では、海外自社企画商品の「マッハ・ベストツアー」で50周年特別企画の展開や羽田空港を始めとする新規就航の拡大に応じた商品ラインナップの拡充に取り組んでいたが、第2四半期以降、全商品の催行中止によって受注がなくなり、販売高は前年同期比59.1%減の70億1200万円にとどまった。団体旅行、国際航空券も同じく減速した結果、海外旅行販売高は同77.5%減の134億8000万円、営業収益は同75.3%減の10億4000万円だった。

新型コロナウイルスの影響で第2四半期以降、受注が大幅に減少したのは国内旅行、インバウンドも同じ。国内旅行販売高は同65.5%減の470億2200万円、営業収益は同60.6%減の55億6300万円、インバウンド販売高は同71.6%減の65億5200万円、営業収益は同71.1%減の8億2100万円だった。

なお、2020年12月期(2020年1月1日~12月31日)の連結業績予想については、安心・安全の確保を最前提に、「GoToトラベル」キャンペーンの活用やリモート営業、オンライン接客、ウェビナー提案などに取り組むが、新型コロナウイルスの終息時期が予測不能で、グループに及ぼす影響を見極めることが困難であることから、現時点では未定とした。