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日本のワクチン接種証明書、発行手続きの概要が明らかに、紙による申請と交付を7月中旬に開始、デジタル証明との連携も検討

内閣官房副長官補室は、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書発行手続きについて、2021年6月25日に第1回の自治体向け説明会を実施した。接種証明書とは、予防接種法に基づいて市区町村で実施されたワクチンの接種記録などを接種者からの申請に基づいて交付するもので、個人の接種記録を管理する市区町村が発行主体となる。

当面は、諸外国にワクチン接種証明書の提示を求められた場合に提示するものとしての利用を想定。国内については、証明書がなくても、接種済証で接種の事実を確認することは可能としている。

紙による申請と交付を7月中旬を目処に開始予定。今後、2次元コードの発行およびデジタル証明書アプリとの連携を並行して検討していく。現時点では、具体的なデジタルアプリについての説明はない。

申請に必要な書類は、申請書、旅券、接種券、接種済証か接種記録書。申請書以外については、郵送の場合、写しを郵送する。当面の間、申請者への手数料は求めず、発行にかかる事務費は国費でまかなう。

ワクチン接種証明書には、パスポート情報に加えて、接種したワクチンの種類、メーカー、製品名、製造番号、接種日、接種国などが日本語と英語で併記される。

ワクチン接種証明書のイメージ(配布資料より)市区町村は、申請書を窓口あるいは郵送で受理し(将来的には電子申請を目指す)、ワクチン接種記録システム(VRS)を使用して審査・入力したのち、窓口あるいは郵送で交付する。政府は、証明書発行にあたって、接種を受けない人への不当な差別につながらないように周知などに努めていくとしている。

今後、7月9日に第2回説明会が実施され、詳細な事務手続きが案内される予定。

経団連、ワクチンパスポートの有効活用を政府に提言

日本経済団体連合会(経団連)は6月24日、ワクチン接種記録(ワクチンパスポート)の早期活用を求める要望書を政府に提出した。そのなかで、政府に対して、社会経済活動の正常化に向けた出口戦略を打ち出す必要性のほか、コモンパスなどを念頭に出入国に必要なデータやシステムに関する国際標準化の推進を求めている。

また、諸外国の出入国でだけでなく、ワクチン接種者の需要喚起を促し、自粛などによって委縮した地域経済や各業界の活性化を進める観点から、国内での活用も提言。国内移動や旅行ツアー、イベントの人数制限の緩和などでの活用を示したほか、普及に向けて各種割引や特典の付与も検討すべきとの考えを示した。