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ANA、地方産品空輸で新会社、朝採れ野菜を首都圏に、社内スタートアップの第2号

ANAグループは、旅客機を利用し、地方のとれたて農産品や魚介類、花などを、首都圏をはじめとした大都市圏にスピーディに運搬する事業を展開する新会社「日本産直空輸」を設立した。従来の産地から卸売り、空輸、地上運送、小売り、消費者までの流通全体を一気通貫でコーディネートすることで、鮮度の高い地域産品を全国に届ける仕組みを構築。地方創生につなげる。

2019年度のANAグループ社員提案制度「ANAバーチャルハリウッド」を通じて誕生した事業。2011年入社で運航安全データ分析をはじめエアラインスタッフとして働くかたわら、山梨県で農業を営んできた木下真祐央氏が「農産品の本当の価値を消費者に届けたい」と応募し、20回にわたる実証実験を重ねてプロジェクトチームをリード。ANA総合研究所への出向を経て、事業化にこぎつけた。同提案制度から生まれたスタートアップは「avatarin」に続き2社目となる。

具体的には、旅客機のスピード、産地、小売店と連携した物流で、収穫から店舗到着までに2~3日かかっていた流通時間を約5~6時間に短縮する。旅客機の貨物空きスペースを活用することで、既存の流通では乗ってこなかった少量生産の農産物、希少品などの取り扱いを提案する。なお、資本金は400万円。新会社としての営業開始は4月1日を目指し、それまでは ANA 総研内で実証実験を兼ねた事業として運営する。