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JTB、相次ぐ旅行会社の不正問題受け自主点検、内部監査も実施、山北社長「不正なし」、一層のコンプラ重視を明言

複数の旅行会社が自治体などから請け負った新型コロナ関連事業の委託料を不正に過大請求していた問題で、旅行最大手のJTBが自主点検を実施した。2023年5月26日、2023年3月期決算会見をおこなったJTB代表取締役 社長執行役員の山北栄二郎氏はこの問題にふれ、「まだ関連事業の受託は続いているものの、現時点で当社グループ、委託先に不正がないことを確認した」と明らかにした。

コロナ禍で激減した旅行事業以外の案件として、旅行会社の経営を支えてきたBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)。ただ、業界の信用が揺らぐ不正請求が相次いで発覚するなか、JTBも自主点検をおこなった。

同社によると、ワクチン接種の事務局、ホテルをはじめとした療養施設の管理、県民割・全国旅行支援の事務局、各種給付金の事務局の4事業に関する請負案件は約1200件。以前からコンプライアンスについて、トップメッセージ、社内会議をなど通じ、特に精算業務については誤りがないよう常に注意喚起していた。自主点検に際し、業務に関わる社員の勤怠状況、委託先の報告に不正がないかチェック。客観的な指摘を求め、内部監査も実施した結果、不正は検出されなかった。

JTBをはじめとする旅行会社の旅行外ビジネスは、地域の課題解決への提案など増加の傾向にある。旅行需要回復の一方で、コロナ関連事業は今後縮小が見込まれるが、正常な展開が期待されている。