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日本商工会議所、「観光立国推進基本計画」改定に向け意見書、高付加価値化、インバウンド地方誘客、国内交流市場の再活性化を軸に

日本商工会議所はこのほど、「『観光立国推進基本計画』改定に向けた意見~地域の持続的発展に向けて、観光があこがれの産業になるために~」を決議した。国では2030年目標のインバウンド6000万人、消費額15兆円に向け、2026~2030年度の次期基本計画策定に向けた検討が始まっている。全国の商工会議所・事業者などから寄せられた意見をとりまとめ、掲げるべき目標として「高付加価値化」「インバウンドの地方誘客」「国内交流市場の再活性化」を挙げた。

地域は観光による「新結合」を

意見書では、まず、方向性として、観光が経済効果を地域全体に広げ、あこがれの産業になるために、地域経営の観点から持続可能な観光地域づくりの加速・進化が必要と指摘。課題については、オーバーツーリズム、物価高騰などによる国内旅行者数の伸び悩み、深刻な人手不足による供給制約、脱炭素化への取り組みの遅れを挙げた。

そのうえで、次期計画の策定に向け、「高付加価値化戦略を基軸とした観光産業の成長産業化」、「インバウンドの地方誘客による『地方創生2.0』の実現」、「伸び悩む国内交流市場の再活性化」の3つの軸をとし、国、地方自治体、民間事業者が一体となって取り組むロードマップを示すべきとの意見を記した。具体的に、観光消費額・観光消費単価の向上だけでなく、観光関連事業者から生み出される付加価値額の向上など、観光産業を成長産業化するための目標を掲げるべきともしている。

また、国が講ずべき施策については、地域の稼ぐ力や地域価値を高める変革、地域の個性づくりによる高付加価値化戦略、地域の誇りの浸透・共感、観光産業の持続的発展に向けた環境整備が必要だと強調した。一方、地域は観光による「新結合」の創出、生産(労働)、分配(居住)、支出(消費・投資)の地域経済循環への貢献が求められているとしている。

発表資料より