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JTB、沖縄本島のレンタカー車内に、おすすめルートや観光情報を配信する実証、周遊促進と渋滞緩和で成果

JTBは、沖縄南部の観光でレンタカー利用者へのルートの提案を通じた分散周遊と交通渋滞緩和を目的とした実証実験を実施した。これは、沖縄北部エリアで実施していた車内での観光レコメンドとあわせておこなわれたもので、観光客の周遊促進と渋滞緩和に一定の成果がみられた。この実証は、沖縄県のレンタカーによる事故削減および渋滞緩和を目的とした「沖縄ゆいまーるプロジェクト」の一環。

2021年12月からの実証実験ステップ1、2022年からのステップ2に続き、2024年9月1日~2025年3月31日にはステップ3の取り組みが実施された。 トヨタレンタリース沖縄のレンタカー利用者を対象に、車内空間で観光レコメンドをおこなうことで、運転行動の変化や渋滞解消に向けた効果を検証した。

南部での実証では、北部から那覇市内に戻る際、午後~夕方に発生しやすい旅行最終日の渋滞による時間ロスが課題と捉え、早い時間に南部を訪問する南部観光ルートを提案。その結果、実証前後での比較で、前年同期間・同台数のレンタカーにおける南部訪問数が2倍となった。

北部での実証では、往復いずれかで「渋滞の少ない山ルート」を選択した利用者の行動を分析。トヨタ自動車のレンタカープローブデータによると、通常は渋滞が少ない山ルートを選択した車両は1.1%だった一方、観光レコメンドを実施した車両では14%となり、顕著な行動変容が確認できた。

また、北部エリアの海沿いの国道449号線(海ルート)と、レコメンド対象の県道84号線(山ルート)について、トヨタ自動車の車両データより解析を行ったところ、「海ルートは所要時間のばらつきが大きい」こと、また「海ルートは渋滞遭遇のケースがあり、平均して走行時間の1割程度で渋滞の影響を受けている」ことを確認した。

報道資料より