
UNツーリズム(国連世界観光機構:UNWTO)は、2025年1~6月の国際観光客の到着数が前年同期比5%増(約3300万人増)の6億9000万人に達したことを明らかにした。これは、2019年同期との比較で約4%増となる。
国別では、日本とベトナムが同21%増となり最も高い成長率を示した。また、韓国も同15%増と好調だった。
地域別では、アジア太平洋地域が同11%増、2019年同期比では8%減だった。北東アジアは同20%増となり、最も好調な結果を示したものの、2019年の水準と比較すると依然として8%下回った。
欧州は、同4%増の3億4000万人。2019年同期比でも7%増となった。北欧、西欧、南欧州・地中海の各地域において、月ごとにばらつきがあるものの、同期間いずれも3%の成長を記録した。
米州は、同3%増。中央アメリカは同2%増となったものの、北部が主に米国とカナダでやや減少したことが影響して横ばいだった。カリブ海も、主要な送客市場である米国からの 需要が弱まったことなどが原因で、やや低調な実績となった。
中東は同4%減となったものの、パンデミック後に非常 に力強く回復を見せており、2019年同期比では29%増。地域別では2019年比で最も好調な結果となった。
2025年上半期の国際観光収入については、日本(同18%増)、フランス(同9%増)、スペイン(同8%増)、 トルコ(同8%増)などが力強い伸びを示した。
2025年下半期、旅行者信頼感はわずかに上昇
世界の観光専門家の短期的な観光見通しを数値化した最新の信頼感指数によると、2025年9~12月における旅行者信頼感はわずかに上昇。0~200のスコア(100が期待される実績と同等)で評価したところ、専門家らは2025年9~12月間を120ポイントとし、5~8月間の114から上昇した。
また、専門家の約50%が、2025年9~12月の見通しを「よい(44%)」または「大幅に良い(6%)」と回答する一方、33%が2024年と同程度の実績になると予測。約16%は観光実績が悪化すると見込んでいる。
2025年9月の調査では、経済的及び地政学的緊張から生じる不確実性から、観光に影響を与える主な要因の3位に「消費者信頼感の低下」が入った。