オリックス・ホテルマネジメントは2025年11月から、地域の産業から生まれた、通常は捨てられてしまう素材や端材を活用したアート作品を直営の全旅館・ホテル、研修施設で展示している。アート作品を通じ、地域の産業や工芸の魅力、背景にあるストーリーを伝えるとともに、資源の循環利用やサステナブルな未来を考える機会を提供する。同社は2024年3月に持続可能な観光につながる体験を提供するプロジェクト「つなぐはぐくむツーリズム」を開始しており、今回が2年目の取り組みとなる。
今回は、SDGs目標の12「つくる責任、つかう責任」に焦点を当て、「Make a circle!(メイク ア サークル)」をコンセプトに掲げて実施。アートに使用する素材は、各施設の担当者が地域の産業や自然の中から、本来は捨てられるであろうものを選定し、地域の協力を得てアート作品へ再生した。
一例として、大阪の「クロスホテル大阪」では、大阪泉州桐箪笥などの製造過程で生じた端材を活用し、高さ約2メートルのインスタレーションを制作。富山県の「黒部・宇奈月温泉やまのは」では、河川や海域の環境管理の過程で回収された流木やウニ殻などの自然素材を活用した。アート作品の制作には、約500名のアーティストのネットワークを持つACTA PLUS社が協力した。