欧州連合(EU)加盟国と欧州議会は、2026年6月15日、航空旅客権利に関する改定案で、現行の3時間遅延補償基準を維持すること、また機内持ち込み手荷物料金の透明性向上を求めることで合意した。今後、正式採択に向けた手続きに進む。
2004年から施行されている現行の規則では、3時間以上遅延した航空便の乗客は、飛行距離に応じて250ユーロ(約4万7000円)から600ユーロ(約11万2000円)の補償を請求できる。この問題をめぐっては、競争力維持のために柔軟性を求める航空会社と、消費者保護団体との間で対立が生じていた。
機内持ち込み手荷物料金では、航空会社が大型手荷物に課金することは認める一方、小型手荷物は無料で持ち込めるようにし、機内持ち込み手荷物料金を基本運賃に含めて表示することで合意した。また、希望しない乗客には安い運賃を提供できるようにする可能性も検討されている。
料金の透明性については、EU域内の消費者権利団体から多くの批判が寄せられている。2024年にはスペイン消費者権利省が格安航空会社に対して、機内持ち込み手荷物料金などをめぐる徴収を理由に1億7900万ユーロ(約333億円)の罰金を科したことで、政治的な論争に発展した。航空会社側はこの措置に対して不服を申し立てている。
一方、今回の改定案では、同伴する大人が子どもの近くに無料で座れる規則や、乗り継ぎ便に乗り遅れた場合に航空会社が必要な支援を提供することを義務付ける規則は変更していない。加えて、搭乗券を取得するために、航空会社が乗客にモバイルアプリのダウンロードを強制することも禁じる。
※ユーロ円換算は1ユーロ186円でトラベルボイス編集部が算出
※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。