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アウトリガー、ワイキキの旗艦ホテルを約160億円投資で大改装、日本人宿泊者は7割まで回復

1947年にハワイで創業したアウトリガー・ホスピタリティ・グループは、ハワイをはじめ、フィジー、タイ、モルディブ、モーリシャスなど世界のビーチリゾートでホテルを展開している。同社のエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・コマーシャル・オフィサー(CCO)のショーン・ディー氏が、このほど来日し、ハワイの各リゾートにおけるリノベーション状況や今後のブランディング戦略について説明した。

同社は現在、ワイキキを代表するビーチフロントホテル「アウトリガー・ワイキキ・ビーチ・リゾート」の大規模改修を実施している。1967年に開業した同ホテルを約1億ドル(約159億円)をかけてリニューアルするものだ。客室およびスイートルームを全面的に刷新するほか、ロビーなどのパブリックスペース、クラブラウンジ「ヴォイジャー47クラブ・ラウンジ」などもアップグレードされる。

客室は2026年8月~9月にかけて、パブリックエリアは11月~12月にかけて改装が終了し、クリスマス前にはすべてのリノベーションが完了する予定だ。

同ホテルは、「近代サーフィンの父」とも呼ばれ、ハワイのビーチカルチャーを象徴するデューク・カハナモクがサーフィンを世界に広めたエリアに立地する。ディー氏は、同ホテルのコンセプトについて、立地を踏まえて「サーフィンカルチャーを打ち出していく」と説明。一方、ワイキキのもう一つのホテル「アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート」では、ハワイアンカルチャーやカヌー文化を体現することで、両リゾートでそれぞれの個性を強調していく考えだ。

また、詳細なブランディング戦略は検討中としながらも、「ゲストにパーソナライズされたサービスを提供し、身近に感じてもらえるラグジュアリーホテルとして『Barefoot Luxury(裸足のラグジュアリー)』を打ち出していく」考えで、ワイキキの他の高級ホテルとは一線を画していく方針を示した。

さらに、ディー氏は、同社が掲げる「アウトリガーウェイ」という理念にも言及。ハワイに根ざしたホテルとして、地域コミュニティとのつながりを大切にする考え方をさらに進化させていくとし、「今回の大規模なリノベーションは、その取り組みの象徴的なもの」と位置付けた。

アウトリガー・ホスピタリティ・グループ副社長兼CCOのショーン・ディー氏

このほか、隣島のリゾートの改装も進行中だ。ハワイ島の「アウトリガー・コナ・リゾート&スパ」では、約6000万ドル(約95億円)をかけた客室とパブリックスペースの全面改装が完了し、今夏にはワイキキで人気のレストラン「Duke’s」がオープンする予定だ。

マウイ島の「アウトリガー・カアナパリ・ビーチリゾート」は、2023年8月に発生した大規模火災によって、改修計画は遅れたものの、2025年には客室の改修は完了。パブリックスペースやプールのアップグレードも2027年には終了する。

カウアイ島の「アウトリガー・カウアイ・ビーチ・リゾート&スパ」では、2026年6月22日にハワイ料理レストラン「オーシャンハウスbyロイ・ヤマグチ」がオープン。一部客室やパブリックスペースも今後改修を進めていく。

日本人宿泊者順調に回復、直販が増加

ディー氏は、日本人旅行者の動向についても説明した。

ハワイへの日本人旅行者数は依然として2019年比で5割程度にとどまっているなか、アウトリガー・リゾートの日本人宿泊者数は7割程度まで回復しているという。そのなかでも、直販が伸びており、その要因として都内で毎年開催される「ALOHA TOKYO」など消費者向けイベントへの出展が功を奏しているとの認識を示した。

また、中東情勢による航空運賃の高騰など、世界的に旅行市場を取り巻く環境は厳しいものの、ディー氏は「その影響は一時的にはあるが、人々は旅行をやめない。旅行には強い回復力がある」と話し、今後の需要拡大に期待感を示した。

こうしたリゾートの改装や日本市場への働きかけに加え、アウトリガーが重視しているのが、滞在中にハワイ文化を体感できるコンテンツの強化だ。その象徴の一つが、アウトリガー・ワイキキ・ビーチコマー・ホテル内のアウトリガー・シアターで上演されているシルク・ドゥ・ソレイユ「ʻAuana(アウアナ)」だ。

ディー氏とともに来日したアウアナのマーケティング・ディレクターのレイ・マーク氏は、ショーについて「神話や伝説など、ハワイの人たちが信じてきた価値観をシルク・ドゥ・ソレイユの世界観で届けている」とアピールする。その特徴は、ハワイ文化をシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスで表現していることにある。ポリネシアン文化の体験として人気のある「ルアウ」とは異なり、ハワイ語をもとにしたハワイ独自のストーリーを壮大な作品に仕上げている。

クリエイティブチームには、ハワイ語、民族音楽、コスチューム、振付などでハワイ文化の権威が参画しているほか、ハワイ出身のプロダンサーやミュージシャンがパフォーマンスを繰り広げるなど、ローカル色を前面に押し出している。

アウアナ・マーケティング・ディレクターのレイ・マーク氏(中央)

上演時間は80分。ラスベガスなどで上演されるシルク・ドゥ・ソレイユの劇場は1500~2000席だが、アウトリガー・シアターは784席。アーティストと観客の距離感を縮めることで、没入感を高めている。

チケット販売については、ホームページでの直販に加えて、日本の旅行会社やOTAの戦略に合わせた販売促進を仕掛けていくほか、インセンティブなどの団体需要にも応えていく考えだ。

「2回、3回見ないと物足りないと話す来場者もいる」とマーク氏。ステージではなく、空間をうまく利用しながらパフォーマンスを行うため、座席の位置によって楽しみ方が変わってくるという。


※ドル円換算は1ドル160円でトラベルボイス編集部が算出