米国の旅行関連企業が発表した2026年第2四半期決算からは、経済の先行き不透明感や旅行費用の上昇が続くなかでも、高所得層を中心に旅行需要が底堅く推移していることがうかがえる。
決算報告の中で、米大手LCCジェットブルー、ホテル大手ヒルトン、クルーズ大手ロイヤル・カリビアンは、高付加価値な商品やサービスが引き続き好調に推移していると強調している。旅行アドバイザリー企業「GetCruiseInfo.com」の創設者であるブライアン・ルーニー氏は、「旅行者が支出に対してより慎重になっている一方で、依然として体験を重視していることを示している」と指摘した。
また、同氏は「こうした結果は、旅行市場では依然として『K字型』の二極化が進んでいることを裏付けるもの。高所得層の旅行者は引き続きプレミアムな体験を予約する一方で、価格を重視する旅行者は旅行を完全に諦めるのではなく、その時期や方法を調整している」と続けた。
ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスは、中東・アフリカ地域における販売可能な客室1室あたりの売上(RevPAR)が前年同期比で29.5%急減したにもかかわらず、2026年通期全体のRevPAR成長率の見通しを引き上げた。需要回復の広がりや、第3四半期に見込むワールドカップの押し上げ効果などを反映した。ワールドカップによって、第2四半期のRevPARは前年比で約1.7%伸びたという。
ロイヤル・カリビアンは、通期の利益予想を上方修正した一方で、地政学的緊張の長期化による予約への軽微な影響を織り込み、売上高の伸び率予想は下方修正した。第2四半期の燃料費が前年同期比27%増の3億5500万ドル(約579億円)に達したことを明らかにしたが、通期の燃料費予想については、従来予想の13億5000万ドル(約2200億円)から約13億4000万ドル(約2180億円)へとわずかに引き下げた。
同社CFOのナフタリ・ホルツ氏は「ロイヤル・カリビアンのバケーション体験に対する消費者の需要は引き続き旺盛だ」と説明した。
航空会社は燃料費の追加分を順調に回収
中東情勢の影響を最も深刻に受けたのは航空業界だが、米国の航空会社の多くは第2四半期までに紛争開始以降に発生した追加燃料費の約半分を回収した。しかし、今後の利益見通しについては依然として不透明な状況が続く。
ジェットブルーは、第2四半期の燃料費が約81%、金額にして約4億700万ドル(約663億円)も急増したにもかかわらず、力強い需要と運賃の値上げによって、予想を上回る割合で燃料費を回収できたことを明らかにした。
同航空は、紛争に起因する燃料価格の乱高下が落ち着きを見せていることで、2026年後半の業績見通しを上方修正している。
※ドル円換算は1ドル163円でトラベルボイス編集部が算出
※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。