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エジプト観光大臣に次の一手を聞いた、外国人旅行者の増加に向けた戦略と日本市場への期待

エジプトのシェリーフ・ファトヒー・アティーア観光・考古大臣が、ツーリズムEXPOジャパン2026で開催された第9回TEJ観光大臣会合に出席するために来日した。中東情勢をはじめとする地政学リスクや原油価格の高止まりによる経済の不透明感が依然として世界の観光市場に影を落としているなか、観光立国であるエジプトは日本の旅行市場に向けてどのようなメッセージを送るのか。ツーリズムEXPOのエジプトブースでファトヒー大臣に聞いた。

地政学リスクが続くなかでも外国人観光客は増加

ファトヒー大臣の来日は約1年半ぶりになる。その間に、パレスチナ問題に加えて、米国によるイラン攻撃が勃発。中東情勢の安定化はまだ先が見通せない状況だ。

ファトヒー大臣は「この地域で起きている事態にエジプトは全く関与していない。日本は地理的に遠く離れているため、中東を一括りに捉えがちだが、エジプトは全く安全な国だ」と強調する。また、原油高による航空燃料の高止まりが続いているが、「世界の旅行者の購買力は依然として力強い」と見ている。

エジプトへのインバウンド旅行者は引き続き成長しており、2026年も9月15日時点で前年同期比4%増の約1340万人を迎えた。日本人旅行者数も前年同期とほぼ同じ水準で推移しており、減少は見られないという。さらに、現在の予約状況から、「今冬は非常に好調なシーズンになるだろう」と自信を示した。

エジプトの「多様性」を発信

その好調な市場を支えている要因の一つが、2025年11月に正式にオープンした「大エジプト博物館」だ。日本をはじめ世界中の考古学ファンを惹きつけている。

ただ、ファトヒー大臣は「エジプトが提供できる観光コンテンツは考古学だけではないことをもっと発信していく必要がある」と話し、エジプトの「多様性」を日本市場にも訴求していく考えを示した。

「地中海や紅海沿いのビーチから精神的な安らぎを与えてくれる聖地、砂漠でのキャンピング、ナイル川クルーズなど多様な観光素材に溢れており、さまざまなコンテンツを組み合わせて商品を造成することができる」と説明し、エジプトの観光の利点として「いずれへも1時間ほどのフライトでアクセスできる点」を挙げた。

そのうえで、ファトヒー大臣はエジプトならではの体験ができるコースを紹介した。カイロに到着した後、ギザの「大エジプト博物館」を見学し、ローマ時代の遺産が多く残る北部の「アレキサンドリア」に移動。その後、ビーチリゾートとして開発が進む地中海沿岸の「エル・アラメイン」に移る。さらに南下し、砂漠の秘境として知られる「シワ・オアシス」でアクティビティを楽しむ。「非常にユニークな旅になるはず」と力を込めた。

本物志向とラグジュアリーにも注力

また、ファトヒー大臣は、エジプト観光の価値として「本物志向(オーセンティシティ)」を挙げ、「単に5つ星のホテルに滞在するだけでなく、地域の人たちと深く触れ合うような旅も提案していく」と意欲を示した。

さらに、ラグジュアリートラベルへの投資も継続し、より高級な商品の提供にも力を入れているという。ホテル認証を見直すほか、新たなホテル開発でもラグジュアリー系を重視。ナイル川クルーズの客船も高級化を進めているという。

課題は航空便の増強

一方で、日本人旅行者を増やしていくために必要なこととして日本とエジプトを結ぶ航空便の増強を挙げた。現在、エジプト航空は週2便で成田/カイロ線を運航している(2026年夏期スケジュール)。ファトヒー大臣は「航空便の増強は不可欠。アクセス手段が限られていれば、観光業を成長させることはできない」と話し、エジプト航空や他社との協議も進めていることを明かした。

「エジプトは、さまざまな形の観光を提供できる」とファトヒー大臣。「それは、エジプトの観光業にとってもいいことだし、日本の旅行会社にとっても有益なことだ」と続けた。