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2015年のべ宿泊旅行者は初の5億人泊超え、稼働率は大阪が84.8%で最高 ―観光庁・宿泊旅行統計(2015年確報)

観光庁が発表した2015年の宿泊旅行統計調査・年間値(確定値)によると、年間ののべ宿泊者数は前年比6.5%増の5億408万人泊。2007年の調査開始以来、はじめて5億人泊を達成し、過去最高となった。このうち、日本人は2.3%増の4億3846万人泊で増加に転じ(前年は0.9%減)、外国人は46.4%増の6561万人泊となり、前年(33.8%増)よりもさらに大きな伸び。 観光庁では日本人の宿泊旅行傾向について、2015年は円安などによって国内旅行へのシフトが継続しているほか、北陸新幹線開業の好影響などが要因とみている。

2015年ののべ宿泊者数の推移は以下のとおり。

観光庁:報道資料より

都道府県別・のべ宿泊者数の伸び率最高は大分県、外国人は特に地方部で大幅増

のべ宿泊数を都道府県別にみると、1位が東京都(5909万人泊/8.9%増)、2位が北海道(3259万人泊/5.2%)、3位が大阪府(3037万人泊/7.0%増)。伸び率の最高は、大分県(739万人泊/21.1%増)で、長崎県(867万人泊/18.6%増)、香川県(408万人泊/17.7%増)と続いたほか、青森県、富山県、石川県、山梨県、岐阜県、滋賀県、奈良県なども2ケタ増となっている。都道府県別・のべ宿泊者数は以下のとおり。

観光庁:報道資料より

外国人宿泊者数に限ってみると、茨城県、静岡県、三重県、滋賀県、佐賀県が前年比倍増超えを記録。また、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫)の伸び率が39.2%増であるのに対し、地方部は59.6%増。地方部の大幅な伸びが顕著な結果となった。

国籍別の最多は中国人の1629万人泊(全体の26.9%)。続いて台湾も1049万人泊で1000万人泊超え。韓国、香港、アメリカを含めた上位5か国・地域で全体の7割を占めた。


稼働率の最高は大阪、リゾート・ビジネス・シティホテルが8割超えで継続

稼働率は全体で60.3%。シティホテルが79.2%、ビジネスホテルが74.2%、リゾートホテルが56.0%と揃って2010年の調査開始以来最高。旅館は37.0%、簡易宿所は27.1%だった。

都道府県別では、大阪府が84.8%となり全国1位に。内訳はリゾートホテル89.8%、ビジネスホテルが86.8%、シティホテルが86.8%となり、前年に続いて8割以上の極めて高い稼働率となった。また、宿泊者数が最も多い東京の全体稼働率は82.6%で、ビジネスホテル(85.3%)とシティホテル(83.6%)が8割超。旅館は全国1位の59.1%だった。