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OYOホテル、日本で旅館ブランドを開始、ミレニアル世代向けデザインで

インド発のホテルチェーンOYO Hotels & Homesの日本法人オヨ・ホテルズ・ジャパンは、日本の旅館を対象にした新ブランド「OYO Ryokan」を開始した。

OYOはフランチャイズ契約のもと、契約施設に対してブランドコンセプトに沿った施設改修や設備・備品(ブランド品)の用意に加え、ホテル管理システム(PMS)や在庫管理システム、集客支援、AIによる収益最適化とダイナミックプライシング等のシステムなどを、ワンストップで提供している。旅館事業も現行のホテル事業と同様に、旅館オーナーとフランチャイズ契約を結ぶ。

3月18日に開催した記者会見でOYO Hotels Japanを率いるオペレーティング・パートナーのプラスン・チョードリー氏は、「旅館は日本のホスピタリティそのもの。旅館を変えるのではなく、改善の余地がある部分をテクノロジーで解決していく」と述べ、旅館の文化を尊重しながら、OYOのテクノロジーで収益改善と効率化を実現していくことを強調した。

旅館事業を担当するディレクター、ヘッド・オブ・OYO Ryokanの八木寛人氏は、8~9か月をかけて準備をしてきたことを説明。旅館の歴史やマーケットを理解するため、100以上の旅館に宿泊してヒアリングを行ない、ブランドやサービス、プロダクト開発に反映した。加盟ホテルの運営支援とゲスト体験に関する業務を統括する副社長のサント・シング氏も「旅館はビジネスではない。おもてなしであるということを、身をもって体験した。これは日本に来た時には分からなかったこと」と、実体験で旅館を理解する大切さを強調した。

ブランド構築では(1)旅館のDNAはそのまま活用、(2)ミレニアル世代を惹きつける現代的なデザイン、(3)海外の旅行者に旅館文化を届ける、の3つを重視。水引をモチーフにしたロゴと、ブランドカラーの「梅鼠色」、日本刀から着想した専用フォントを基調に、ブランド品(備品類)を揃えた。床に長時間座るのが苦手な外国人旅行者を考慮し、日中はソファとして使える布団などの商品開発から施設改修も、社内チームが中心となって行なっているという。

OYOは現在、日本で76都市の190以上の宿泊施設と契約。客室数は約5000室で、そのうち1000室がOYO Ryokanの契約施設だ。八木氏によると、第1号の旅館は昨年9月から試行を開始しており、契約中の旅館は18~35室程度の独立系施設が中心になっているという。今後は、デジタルメディアを中心に広告展開も行なう方針で、契約数が一定規模になった際にはテレビCMを行なうことも視野に入れている。

また、ソフトバンクとのシナジーも発揮させていく考えで、ソフトバンクの投資先であるLINEやヤフー、ペイペイなどとのコラボレーションも検討しているという。

OYORyokan 室内のブランド品(備品)

浴場のブランド品(左)と「屋台バー」(右)も。