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国交省、航空・空港の支援施策を一部見直し、空港使用料の減免やDX支援、遊覧飛行など新たな需要獲得への規制緩和も

国土交通省は、2020年10月にまとめた「コロナ時代の航空・空港の経営基盤強化に向けた支援施策パッケージ」について、さらに規制緩和と弾力的な運用を進めるために、内容の一部見直しを行い、新たな施策を加えた。

まず、来年度予算で総額 1200億円規模の空港使用料と航空機燃料税の減免を実施する。具体的には、空港使用料について、国内線に係る着陸料、停留料、航行援助施設利用料を合計で約9割軽減し、航空機燃料税について、従来の軽減措置から更に 1/2(本則1万8000 円/klから9000 円/kl)に軽減する。

また、カーボン・ニュートラル、DX、事業再構築・再編に向けた投資を行う企業に対し、コロナ禍で生じた欠損金に限り、繰越欠損金の控除上限(現行50%)を、最長5年間、投資額の範囲で最大100%まで引き上げるほか、2020年度第3次補正予算で「産業雇用安定助成金(仮称)による支援 」を創設する。

感染リスク最小化のための空港受入環境高度化支援では、待合スペースなどでの密集防止、空調・換気設備の機能向上、衛生設備の非接触化、検温・殺菌関連機器の導入などについて、空港ビル会社などが実施する施設整備の経費の一部補助(補助率1/2)を行う。

コンセッション空港関連では、来年度予算で空港運営会社が実施する滑走路の改修、灯火の更新などの空港施設の整備費用に対し、無利子貸付を行う。空港別では、関西と中部の第1ターミナル改修事業を財政投融資で支援する。

グランドハンドリングでは、引取税の免税措置を延長するほか、資機材の共有化を推進するため、支援策を含めた検討を行う。

規制緩和では遊覧飛行など新たな需要の獲得促進など

このほか、規制緩和では、乗員や整備での規制・運用を見直すほか、技能証明の申請手続や運航規程・教育規程などの認可書類やその申請手続について可能なものから電子化を行う。 

また、新型コロナウイルスの影響による貨物需要の増大に対応するため、航空機の客室内に貨物を搭載する方法や緊急時の対応手順をあらかじめ航空局が確認することで、旅客機の客室内での貨物運送を例外的に認可。

さらに、欠航している国際線機材を活用した遊覧飛行など新たな需要獲得に向けた航空会社の取り組みを促進する。具体的には、自由度の高い飛行経路の設定や民間訓練試験空域における遊覧飛行の実施、「初日の出フライト」に伴う航空保安業務の提供時間の臨時延長を可能とする。