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世界の観光事業者、サステナビリティに取り組むBtoB企業は24%と低調、姿勢の欠如に警鐘【外電】

ここ数年、特にパンデミックが発生して以降、サステナビリティは世界の観光事業者で最もホットな話題のひとつになっている。積極的にサステナビリティの取り組みを展開しているBtoC企業は増えているが、BtoB企業の取り組みはどうだろうか。

大手コンサルティング会社ベルベラ・パートナーズは、世界350社の観光関連BtoB企業のサステナビリティの取り組みについてそれぞれのウェブサイトを調査。それによると、BtoB企業では、サステナビリティへの優先度は低く、世論への発信も欠如していることが分かった。

調査結果によると、43%が自社ウェブサイト上で、サステナビリティ、あるいは環境やCSRなどについての情報を掲載しているが、サステナビリティポリシーに取り組んでいるのは24%、「サステナビリティ・リポート」のような報告書をリリースしているのは17%に過ぎなかった。

さらに、BtoB企業を業種別で見ると、サステナビリティ・リポートを公開している割合が最も高いのが航空で42%。ウェブサイトでサステナビリティについての記載がある割合は89%となった。

最も低いのがレンタカーで、ウェブサイトでの記載が16%にすぎず、リポートに至っては、全くなかった。

また、トラベルテック企業では、ウェブサイトでの記載は53%で、全体平均の43%を上回り、ポリシーを公表している割合は29%で、これも平均の24%を上回った。

地域別で見ると、調査対象のBtoB企業の多くが本社を置いている米国で、サステナビリティ・リポートを公表している割合は最も低く13%。英国は23%、スペインは19%となった。

このほか、調査のひとつとして、サステナビリティの情報がゼロの約100社に連絡をとり、サステナビリティに関する情報の更新について尋ねたところ、更新すると回答したのは7社だけだった。

同社マネージング・ディレクターのローマン・タウンゼント氏は、「もしサステナビリティに取り組む姿勢を示さなければ、ステークホルダーはそれを最悪と評価するだろう。道徳的な義務としてだけでなく、経済的にもビジネスに損害が出る恐れがある。銀行は、サステナビリティに後ろ向きな企業には融資をためらい、サプライヤーはそれをビジネスパートナーの基準にし、従業員でさえ会社を去り始めるだろう」と警鐘を鳴らしている。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:B2B TRAVEL COMPANIES LAGGING ON SUSTAINABILITY

著者:ミトラ・ソレス氏(MITRA SORRELLS)