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三菱地所、地域活性化で新会社、来訪者と地域をつなぐ、JTBと共同で街歩きアプリ「膝栗毛」開発

三菱地所は2021年11月25日、地域活性化を支援する新会社「膝栗毛」を設立したと発表した。JTBコミュニケーションデザイン(JCD)と共同で、デジタルとリアルを組み合わせた歩き旅体験を提供するスマホアプリ「膝栗毛| HIZAKURIGE」を開発。身近な地域の歴史や魅力を再発見するマイクロツーリズムを促進するとともに、新たなにぎわい、来訪者と地域の人とのコミュニケーション創出に取り組む。

デジタルの力で人の流れを創出

膝栗毛アプリは、「身近なまちの、何気ない道を、エンターテイメントに」をコンセプトに、今までは通り過ぎていた身近なまちや道を歩く旅を楽しめるコンテンツを提供するもの。デジタルとリアルを融合した新しい街歩きというソフトからのアプローチについて、膝栗毛代表取締役・三菱地所新事業創造部統括の米田大典氏は、「全国にはハードの開発ができなくても、固有の文化や風景を持つ場所がたくさんある。新しいものをつくらなくても、既存の魅力を編集してコンテンツ化することで、人の流れを生む街づくりに取り組みたい」と意気込む。

JCDも旅や観光への知見を活かしたコンテンツの編集力、地域DMO、自治体、観光事業者とのネットワークによる営業力で支援する。JTBコミュニケーションデザイン執行役員・事業共創部長の島村直樹氏は、「JCDの総合力に加え、デジタルの力も活かしながら地域の魅力を高め、人流を創出していきたい」と語る。

チェックインでポイント貯まる機能も

実際には、事前に地域のスポットや歴史、グルメスポットをチェックできる記事コンテンツで歩き方を提案したうえで、ユーザーはマッピングされたルートを歩き、寺や城、お店といったスポットではGPS連動型の音声ガイドを楽しみながら歩くことができる。

各スポットで撮影した写真を登録すると、ポイントが貯まるチェックインする機能もある。今後は、貯めたポイントをアイテムと交換できるようにし、ユーザーのリピート化を目指す。また、ルートごとに、カフェや公民館、コワーキングスペースといった提携店舗「膝栗毛茶屋」を用意し、店員や他のユーザーとの交流を楽しめるようにする。達成感を促すために、歩いた距離やカロリーを確認できる運動データ機能も提供する。

第1弾は江戸時代に整備された五街道の1つである東海道が舞台で、日本橋/三島、京都/草津の13区間でコンテンツを提供する。今後、システムを確立し、東海道五十三次に限らずさまざまな自治体、企業に提供することで、システム利用料、コンサルティング料などによる収益化を図りたい考えだ。

その場で音声ナレーションがガイド

三菱地所によると、新会社「膝栗毛」の設立日は2021年11月12日。資本金は2 億円で三菱地所の100%子会社となる。