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決済手段で旅行購買は変わるのか? あと払いサービス「ペイディ」を導入した旅行系3社に変化と効果を聞いてきた(PR)

新時代のオンライン決済サービスが、日本でも注目を集めている。BNPL(Buy Now Pay Later)と呼ばれる、あと払いサービスの「ペイディ」だ。

ファッション系ECサイトでの導入が先行したペイディだが、近年は観光分野との相性の良さも知られるようになってきた。新しい消費の仕方を提案したサービス特性だけではなく、決済サービスでありながら、導入企業の販促マーケティングにも注力するユニークさも注目されるポイント。2021年、観光分野の導入企業は2019年比で約2.2倍に増加している。

ペイディは他の決済サービスと何が違うのか。旅行サービスにどんな機会と価値をもたらすのか。ペイディを導入している「エアトリ」「アソビュー」「WILLER」の旅行サービス3社とPaidyによる座談会では、ペイディによって得られた効果や新しい旅行トレンドの兆候など、新たな旅行の決済サービスとしての様々な可能性が話された。

■座談会の参加者

あと払いサービス「ペイディ」とは?

ペイディは、日本で展開するあと払い(BNPL)決済サービス。BNPLは日本ではまだ、新しい決済サービスの印象が強いが、世界では欧米諸国を中心に一般化しており、Paidyによると、例えばスウェーデンではECでの決済手段の比率が、クレジットカード利用が6割に対しBNPLは4割になっているほど浸透している。

ペイディは、携帯電話の番号とメールアドレスの入力で利用でき、同月内に利用した買物代金を、翌月10日までにまとめて口座振替か振込、コンビニで支払うシンプルさが特徴(口座振替は12日)。異なるECサイトの利用でも、支払いはまとめて1回で良いのもポイントだ。アプリで管理できるわかりやすさと、ライフスタイルにあったスマートな使い方ができることで支持を受け、ユーザー規模は直近の1年間で1.6倍以上に拡大。2022年3月時点で790万人に達している。

そして、このペイディの特徴が、観光分野の事業者に好影響を与えているという。

ペイディの利用方法と支払い方法。わずかなステップでスムーズに完了

入金率を改善、誰もが簡単で安全に利用できる決済サービスに

観光事業者が得られるメリットの1つが、入金率の改善だ。ECで使用される決済手段のうち、特にコンビニ決済はクレジットカードの取得が難しい学生などの若い世代を中心に利用されている。しかし、コンビニ決済は予約後、店頭で支払う必要があるため、各種事情で期日までに支払いができずにキャンセルとなる「カゴ落ち」が発生することも少なくなかった。それは、在庫のきかない商品を扱う旅行サービスの事業者にとって大きな機会損失になっていた。

WILLERが運営する予約サイト「WILLER TRAVEL」では、年間300万人におよぶ高速バス利用者の約半数が20代の若年層ということもあり、コンビニ決済の利用は全体の4割を占めていた。ところが「コンビニ決済を選んだ予約の4割が未払いでキャンセルになっていた」(福島氏)。それがペイディの導入後、コンビニ決済が約7%減少し、その分がペイディにスライドしたという。

エアトリでは「予約から決済までのリードタイムが平均1.5~2日だったのが、ペイディでは1日足らずに短縮した」(村上氏)ほか、メイン客層であるF1層・M1層の入金率が110%向上する結果に。

エアトリ 国内航空券販売事業部 事業推進グループ グループ長 村上賢優氏

「セキュリティの観点からもメリットが得られている」と話したのは、アソビューの岡村氏。ペイディは決済時に認証コードによる本人確認などセキュリティ対策をとっており、それが同社への「決済の安心安全に関する意見や問い合わせが減っている」(岡村氏)という形で表れている。万一キャンセルする場合も、「ペイディでは結果がアプリに即時反映され、利用可能額もすぐ復活する。ユーザーが安心できる仕組み」と利点を強調する。

楽天のトラベル事業やペイパルなど、旅行業界と決済業界の両方を経験してきたPaidy橋本氏は、「ユーザーが予約・購入を決めてもやめる理由の7割は、支払方法が原因だと思う」と、スムーズに購入できる重要性を指摘。「ペイディを通して導入企業が潤うことが大切」との考えのもと、ユーザーの利便性と満足度の向上に注力していることを説明した。その方法は、ユーザーに付加価値を提供すること。それにより、商品を購入しやすい状況を作りだすことに力を入れているという。

Paidy 副社長執行役員 橋本知周氏

「3回あと払い」で単価アップ、ユーザーに付加価値を提供する意味

付加価値の代表例が、2020年10月に開始した「3回あと払い」サービス。分割手数料なし(銀行振込、口座振替のみ)に買い物の代金支払いを3回に分け、月当たりの支払額を低く抑えられるようにしたものだ。分割払いの手数料を事業者が負担するのは、ペイディならではのこと。

旅行商品は総額が大きくなりやすいため、旅行サービスでは3回あと払いが選択される率が高い。しかも、ペイディが3回あと払いをリリースした後、旅行サービスの購入単価が平均で30~40%上がっているデータもある。「分割で支払うならもう少し高いものを買ってもいい、と感じてもらえている。ユーザーを拡大して購入単価も上げる、我々ならではの付加価値を提供できている」と橋本氏は分析する。

WILLER TRAVELでは商品の単価がさほど高くないことから、3回あと払いの利用は限定的になると考えていた。ところが、予想に反して「利用率が高く、単価の上がり幅も大きい。意外なところにニーズがあったと感じている」と、福島氏は打ち明ける。手数料不要の分割払いで、本当に利用したい商品に手が届くようになる。それが利用者の満足度向上につながっている可能性がありそうだ。

また、ペイディとアソビュー!とは、毎月26日の「風呂の日キャンペーン」でコラボしている。温泉・スパ施設の利用料金を10%割引で販売するキャンペーンだが、ペイディで決済した場合は15%割引にするというものだ。「利用者の70%がリピーターで、定着してきている実感がある」と岡村氏。

アソビュー アソビュー!サービスマネージャー 岡村健氏

こうした取り組みにPaidyが積極的なのは、「需要を一緒に作りだすことが大切」(橋本氏)と考えるから。決済事業者として、適切に決済サービスを提供し、安全・確実に支払い処理をするのはもちろん、導入企業と利益を享受するパートナーとして、ともにマーケットを開拓していく考えがPaidyにはある。そのため、Paidyとしてユーザーアンケートを積極的におこなうほか、導入企業に対してはメルマガ配信やプッシュ通知など、ペイディを介してユーザーにリーチできるマーケティングツールも提供しているという。

旅行に行きたいと思った気持ちを後押し、需要の顕在化へ

近年、予約の間際化が一般的になっているが、それがコロナ禍でさらに助長されている。例えばエアトリでは、利用者が感染状況を見極めながら航空券を手配する傾向にあることから、村上氏いわく「予約から搭乗まで1カ月以内のパターンは、コロナ前に比べて1.5倍に増えている」。ペイディは予約から決済までのリードタイムが短いことから、各事業者は「いま行きたい」という衝動的な需要を取り込みやすくなるという期待感を持っている。

WILLER TRAVELでは、バスの出発20分前まで予約を受け付けているが、乗車までに決済を済ませる必要があるため、クレジットカードを持たない人が直前予約をするのは難しかった。福島氏は、「高速バスはもともと1人利用が多いサービスだが、さらにコロナ禍で複数人での旅行を控えるなか、1人で間際に出かける旅行が一段と増えていると感じる」といい、ペイディの導入で確実に需要を取り込んでいるようだ。

WILLER eコマースDept. マネージャー 福島絵里子氏

本来、旅行は計画を立てて手配をするものであるため、旅行情報に触れて「行ってみたい」と思った気持ちが、すぐに予約・購入に結びつくかというとそれは難しい。特に、クレジットカードなどの事前決済を伴う場合はハードルが高いだろう。しかし、Paidy橋本氏は、現金払いに近い感覚で利用できるペイディは、「思い立った時に予約がしやすく、旅行をしたい気持ちを実現する後押しにもなる」と考えている。

相互流入を促し、利用者増加の好循環へ

2014年のサービス開始後、ペイディの導入事業者数は国内70万店舗を超えた。導入事業者の増加に伴い、ユーザーの相互流入がおこなわれており、Paidy橋本氏は「送客効果も、我々が自信を持っているポイント」と胸を張る。

旅行サービスの場合、平均的にペイディ利用者の3割が他の決済手段からの移行だが、7割は新規ユーザーで、これは他のペイディ対応のECサイトからの流入が多い。実際、エアトリでは「ペイディからのデータフィードバックで、ペイディを導入する他のショッピングサイトから新規ユーザーが来ていることが分かった」(村上氏)とその効果を実感している。

導入事業者が増えるほどに、ペイディのユーザー層は多様化する。当初は若い女性のユーザーが多かったが、エアトリをはじめ多様な販売店の参画で若い男性の比率が拡大。世界大手ECサイトでの導入後はさらに多様化し、いまでは20代〜40代(男女同等)を中心に70代や80代のシニアの利用も増えている。それが導入企業にとってユーザー増と客層の多様化という好循環に結びつく。

橋本氏は「サービスを開始した7年前に一番多いユーザー層だった20歳の女性は、いま27歳になった」という。つまり、ペイディでの決済に慣れ、金利手数料が不要なあと払いでいま自分に必要な投資をする消費者は年々拡大し、スタンダードになっていくと示唆している。そして「10年後にはECでの利用の半分がペイディになる」と展望する。

2021年9月、Paidyは世界で4億もの膨大なアカウントを抱えるペイパルの傘下に入った。国内スタートアップでは最大規模の買収であり、それだけPaidyが注目されていることがわかる。コロナが収束し、観光の国際交流が復活した際には「インバウンドの獲得にも寄与できる」と橋本氏はアピールする。今後も観光関連事業者の拡大と、パートナーとしての需要獲得に取り組んでいく方針だ。

左から)アソビューの岡村氏、WILLERの福島氏、Paidyの橋本氏、エアトリの村上氏

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対応サービス:ペイディ

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記事:トラベルボイス企画部