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2023年に注目したい世界の旅行系スタートアップ25選、旅行の「REコマース」や「NFT航空券」など一挙公開【外電】

昨年11月末に米国フェニックスで開催されたフォーカスライト・カンファレンスでは、「2023年注目スタートアップ25」を発表した。

創造とイノベーションは危機の中で生まれる――、とは使い古された言葉だが、2023年の注目スタートアップ25に選ばれた各社を見渡すと、これを実感するだろう。

25社のうち14社は、世界中で旅行がコロナ禍による緊急停止に追い込まれた2020年以降に創業したところだ。また同9社は2021年に創業したばかりだが、早くも充分な結果を出している。

選考作業は、なかなか大変だった。まず候補として120社のスタートアップを挙げ、イノベーション度の高さや潜在的な成長性について検討。創業から5年以内のところを主な対象とし、事業領域や創業者、地域などが偏らないよう配慮した。

注目スタートアップの選出は、今回で5回目となる。以下、これまでの振り返りとともに最新情報をお届けする。

過去4年間に選出された注目25社を振り返って

過去4年間に注目25社に選ばれたスタートアップ、計100社を見ると、最先端のイノベーションがどう動いてきたのかを振り返ることができる。

この100社が獲得した出資金は合計17億ドル(約2300億円)、最高額はトラベルパーク(2019年選出)の4億850万ドル(約555億5600万円)だった。出資額を年度別でみると、最も高いのは2020年、次いで2019年となり、それぞれ6億3000万ドル(約856億8000万円)と5億9000万ドル(約802億4000万円)となった。

また、全体の7割がB2B事業を中心に展開しているが、過去2年の旅行消費動向を考えれば当然かもしれない。とはいえ、獲得資金を比べると、消費者向け事業を手掛けるB2CとB2Bでほぼ同レベルで、それぞれ8億1100万ドル(約1102億9600万円)と8億9900万ドル(約1222億6400万円)だった。

地域別では、全体の57%が北米を拠点にしており、30%が欧州、7%がアジア太平洋、その他が中近東・アフリカ・南米。北米のスタートアップが減り、欧州勢が増えている。

事業領域では、全体の29%がホスピタリティ産業(このうち19%はホテル・ホステル、10%は短期レンタル物件)、18%は航空関連、10%は法人旅行、6%は特定領域に特化しており、6%はツアーや体験アクティビティ関係だった。

こうした比率は、旅行系スタートアップの全体像とほぼ重なる。ただし、旅程やインスピレーション、コンテンツ領域については、それなりに起業は多い割に、注目25社にはほとんど選ばれていない。また、過去に選出されたスタートアップ各社のうち11社がこれまでに買収されたほか、3社が撤退、1社が吸収合併(2020年選出のSetooがPattern Insuranceへ)された。同85%は、現在も事業を継続中。買収された11社のうち4社は法人旅行関連だった。

2023年組の顔ぶれは?

今回、注目スタートアップに選ばれた25社は以下の通り。それぞれの創業者に、事業内容や2023年の目標、これまでの経験から得た学びや教訓について聞いた。

Aeronology

AeroPaye

Aidaptive

AltoVita

Buoy

Chooose

Fairlyne

Fetcherr

Flycoin

Fora 

GauVendi

Gopass Global

Grapevine

Holibob

Hotelverse

Iomob

Jyrney

Mount

Nectar

NeoKe

Selfbook

StatusMatch

Swayed

TravelX

Zytlyn

※円換算は、1ドル136円、1ユーロ145円、1ポンド166円でトラベルボイス編集部が算出しました。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:PRESENTING THE HOT 25 TRAVEL STARTUPS FOR 2023