
イタリア・ミラノでは、屋外で喫煙する場合、他者と10メートルの距離を保つことが義務付けられた。イタリアの他都市でも、同様の措置が検討されているが、その反応は賛否両論だ。
ミラノの象徴であるドゥオーモ広場のカフェでは、かつてタバコと新聞を手に持った地元の人々で賑わっていた。観光客もタバコを吸いながら大聖堂を眺めていた。
今では、灰皿は姿を消し、喫煙者は警察が近寄ってくるのを恐れながら街灯の近くで静かにタバコを吸っている。
ミラノが施行した喫煙禁止令は、イタリア国内だけでなく、欧州でも最も厳しい規制の一つ。罰金は最高240ユーロ(約3万8400円)にもなる。
この禁止措置は、ミラノの慢性的な大気汚染対策の一環。市当局によると、この地域の粒子状物質排出量の約7%は、タバコによるものだという。
ローマなど他都市も同様の対策を検討しており、トリノではすでに「礼儀正しい距離」ルールを施行。喫煙者は近くに子供や妊婦がいる場合、喫煙者は喫煙の許可を得る必要がある。
新法の実効性に疑問も
ミラノでは、新しい規則に対して賛否両論。屋外でも他人の煙を吸わなくて済むようになったことを喜ぶ人が多くいる一方、「真の問題はタバコではなく、自由の喪失だ」と主張する保守系の地元紙もある。新法に抗議する人々の中には、元市長の銅像の口に巨大なタバコを置く者も現れた。そのメッセージには、「あなたは私たちの父親じゃない。タバコを吸わせろ」と書かれていた。
イタリアでは2005年に屋内禁煙を導入して以来、喫煙者数は着実に減少している。公式データによると、現在、イタリア人の喫煙率は約19%まで減少した。しかし、屋外禁煙の施行は依然として不十分だ。大聖堂近くのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリアをはじめ、歩道にはタバコの吸い殻が散乱している。
昼食時や夕方になると、多くのレストランの外に喫煙者の集団が見られる。特に電子タバコは市の条例でまだ許可されているため、それを隠そうとする人はほとんどいない。
今のところ、罰金が科されたのはほんの一握りで、規則を知らない観光客は警告だけで済むことが多い。
市当局は、暖かい季節が近づくにつれて、取り締まりを強化する計画。実際のところ、警察当局もそれほど取り締まりに熱心ではない。スリなど対処すべきことが山ほどあるからだ。
※ユーロ円換算は1ユーロ160円でトラベルボイス編集部が算出
※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。