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イタリアの国際認証機関 「Vireo」、日本で持続可能な観光の国際認証(GSTC認証)取得支援を本格開始

イタリアの国際認証機関 「Vireo(ヴィレオ)」は、日本のサステナ認証センターとパートナー契約を締結し、「Vireo Japan」として事業を開始した。サステナ認証センター(札幌市)は日本での公式窓口として、GSTC(Global Sustainable Tourism Council)認証およびサステナブル認証の監査体制を強化していく。

GSTCは、持続可能な観光に関する国際的な標準(GSTCクライテリア)の設定・管理と認定、持続可能な観光に取り組む人材の育成などを行う非営利団体。GSTC認証は、GSTCクライテリアに基づき、観光事業者、地域などが持続可能な取り組みを行っているかを評価する国際的な認証制度だ。

Vireoは、持続可能な観光・森林・水産など幅広い分野での第三者認証を展開する国際認証機関。現在のところ、GSTC認証機関として約20カ国250軒を超えるホテルの監査を実施。日本のほか、マレーシア・クアラルンプール、中国・上海にも拠点を置き、アジアで事業を強化しているところだという。

Vireo Japanの開設によって、日本国内の自治体、企業、宿泊施設、観光事業者向けに、認証に関する問い合わせ、申請・基準に対する適合状況確認、監査スケジュール調整などを日本語で一元的に受けられる体制が整うことになる。

Vireo CEOのルイージ・マッツァーリア氏は、発表の記者会見で「Vireoは、誠実性、専門知識、透明性、コミットメント、持続可能性を価値として掲げている」と説明。そのうえで「GSTC認証の重要性が高まる中で、Vireoは地域と宿泊施設の両方を認証する唯一の組織」と自信を示した。

Vireoの事業について説明するマッツァーリアCEO。

Vireoは、GSTC認証のほか、森林認証、海洋認証、ISOなどさまざまな国際認証の発行を行っているが、Vireo Japanは宿泊施設と旅行会社向け「GSTC-I」、地域向け「GSTC-D」に特化する。Vireo Japanは、GSTC認証取得の効果として、事業者ではブランドイメージや企業価値の向上、コスト削減と運用の効率化、地域ではブランディング、ステークホルダー間の関係強化、地域の強みと課題の客観的分析などが可能になると説明した。

また、Vireo Japanでは、GSTC認証の取得においては事業者と地域が両輪になると認識。双方が取得するサイクルが進めば、日本は世界有数の質の高い持続可能な観光地になるとの考えのもと活動を強化していく。

マッツァーリア氏は「観光産業は日本にとって極めて重要な分野。観光におけるサステナビリティの重要性は年々高まっている。日本のホテル・地域双方には大きな可能性があり、GSTCに準拠した取り組みが、ビジネス、地域社会、そして訪問者に新たな価値を生み出す」と強調した。