東日本旅客鉄道(JR東日本)と日本航空(JAL)は、「東日本エリアの地方創生に向けた連携強化」に関する協定を締結した。両社は本協定を「地域未来創生戦略」と位置づけ、鉄道と航空それぞれの強みを掛け合わせた「広域観光モデルの創出」「関係人口・定住人口の創出」「新たなマーケットの創出」の3つに取り組む。今後は、従来の「飛行機は飛行機」、「鉄道は鉄道」という枠組みを超え、両者をつなぐ戦略的な連携を多面的に検討していく。
「行きは新幹線、帰りは飛行機」などを提案
広域観光モデルの創出では、往復ともに同じ交通手段を使うこれまでのスタイルに対し、鉄道と航空を組み合わせた旅行商品の企画を強化する。たとえば、首都圏から函館や東北へ向かう際、片道を新幹線、もう片道を航空機にするといった商品だ。地域の関係者と連携し、広域な観光ルートの磨き上げや、教育旅行、インバウンドの地方誘客拡大を図る。
また、スマートフォン一つで予約や決済がスムーズに完結する仕組みづくりや、乗り継ぎ情報の最適化に加え、コードシェアにとどまらない手段を検討。さらに、航空券と鉄道きっぷの一体化やインバウンド向け「Welcome Suica Mobile」の活用などを検討し、早期のサービス実現に向けた実証実験を目指す。
二地域居住を支える移動コストの負担軽減へ
関係人口・定住人口の創出では、二地域居住を後押しするため、移動負担の軽減にも取り組む。JALが持つ移動支援のノウハウを活かし、JR東日本とともに新幹線と航空機を併用する際の新たな支援策を自治体と検討する。2026年度は、新幹線と航空を併用した移動負担軽減の新たな取り組み「東日本、二地域暮らし(仮称)」の検討を進める。
さらに、2027年度から予定されている地域連携ICカードの機能拡充に合わせ、二地域居住者(ふるさと住民制度の利用者など)が地域で割引を受けられるような支援メニューの検討も進める。
列車と飛行機つなぐ物流と手ぶら観光の実現
新たな市場づくりとしては、荷物輸送の連携を強化する。JR東日本の列車荷物輸送「はこビュン」とJALの航空輸送を組み合わせることで、地域の新鮮な産品をより素早く届けるサービスを拡充。また、駅や空港、観光地の間で手荷物を配送するネットワークを強化する。重い荷物を持ち運ぶストレスをなくし、「手ぶら」で移動や観光を楽しめる環境を整えることで、地域での滞在をより快適なものにする。