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燃料供給のひっ迫で、苦境続く航空業界、デルタ航空は運航便数を削減

写真:ロイター通信

米国とイランが2週間の停戦に合意した2026年4月8日、航空会社の株価は急騰し、原油価格は下落した。しかし、その後、イスラエルがレバノンを攻撃したことで原油輸送への不安が再燃している。

中東全域では、この戦争によって石油精製能力が損なわれた。このことから、業界関係者はホルムズ海峡の通過が可能になったとしても、今後数カ月間、ジェット燃料の供給は逼迫し、価格も高騰が続くだろうと警告している。

国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務局長も、「海峡が再開されたとしても、中東の製油能力の混乱を考慮すると、供給が本来の水準に戻るには数ヶ月が必要だろう」との見解を示した。

デルタ航空は4月8日、2026年第2四半期の利益が予想を下回るとの見通しを示した。さらに、同期間中に計上される約20億ドル(約3160億円)の追加燃料費を相殺するため、運航便数を削減すると発表した。同航空は、6月のジェット燃料価格を、昨年の2倍以上となる1ガロンあたり約4.30ドル(約680円)と見込んでいる。

対応に追われる航空会社

通常、燃料費は航空会社のコストの約27%を占め、人件費に次いで2番目に大きな費用項目だ。ジェット燃料価格は紛争勃発以来、2倍以上に高騰した。

航空会社は、その対応のため、運賃の値上げ、便数の削減、給油のための寄港地の増加、燃料の備蓄増などを余儀なくされた。一部の航空会社は、安全上の懸念を理由に、欧州とアジアを結ぶ重要な航空ハブである湾岸地域発着便を運休している。

オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、アーロン・ゴールドリング氏は、主要な中東のハブ空港が再開したとしても、中東地域で3670億ドル(約58兆円)規模となる観光産業が回復するには、最良のシナリオでも数ヶ月かかると見ている。また、「停戦しても、旅行者の心理への影響は基本的に7ヶ月ほど続くだろう」との見方を示した。

※ドル円換算は1ドル158円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳·編集しました。