ハワイの連邦地方裁判所は2025年12月23日、気候変動対策としてハワイに入港するクルーズ船への課税を差し止めることを求める申し立てを棄却した。これにより、新たな税制が2026年1月1日から施行されることになる。気候変動対策を目的としてクルーズ船に課税するのは、米国で初めてとなる。
この新税は観光税で調達した資金を気候変動対策などの環境保全活動に充てる目的で新たに導入された「グリーンフィー」と呼ばれる法律の一部。当局は、新たな税収を年間約1億ドル(約155億円)と見積もっている。
クルーズ船の乗客が支払う運賃総額に11%の新たな税金を課し、クルーズ船がハワイの港に停泊する日数に応じて日割りで課税される仕組みだ。
クルーズラインズ・インターナショナル協会(CLIA)は、地元海運会社とともに、この税制について憲法違反だとして異議を唱える訴訟を起こしていた。原告側の弁護士は、この税制はクルーズ料金の値上げにつながり、観光産業に悪影響を及ぼすと主張していた。
米国連邦政府もこの訴訟に介入。この税金は「ハワイの利益のためだけに、米国国民と企業から搾取する計画」であり、連邦法に違反していると主張していた。
原告及び米司法省は翌日、控訴審の間、現状維持を求める申し立てを提出したが、連邦地方判事はその申し立ても却下した。
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