「関係人口」とは、自分の居住地とは別の地域に多様な形で継続的に関わる人たちを指します。移住などで長期的に住む「定住人口」でもなく、観光などで短期的に訪れる「交流人口」でもないため、「観光以上・移住未満」とも表現されます。
「交流人口」は地域外からの旅行者や短期滞在者を指す言葉として、2010年代前半から使われるようになりました。宿泊や食事、土産品の購入などを通して消費をおこなうことで、地域経済への貢献が期待される存在です。これに対して、「関係人口」は、交流人口のように地域で消費して終わるのではなく、地域の人々とつながりを持ちながら、何らかの形で地域に関与する存在です。
住民票を移すことなく地域と継続的に関わる
地域外に住む人が、地域に関与する具体的な例としては「地域おこし協力隊」など、短期を含めた移住があります。移住は、その地域に住民票を移すことが前提ですが、関係人口は今の居住地の住民票を移すことなく、地域と継続的に関わることが特徴です。
関係人口の概念は、2004年に発生した新潟県中越地震をきっかけに生まれたといわれています。災害復興ボランティアとして被災地を訪れた人たちが、地域の環境やそこに暮らす人々と出会うことで新しい価値観を知り、地域に積極的に関わりたいと考えるようになりました。
その傾向は2011年に発生した東日本大震災でさらに大きな広がりを見せ、地域との関わり方の新たな選択肢が社会に示されました。地域と継続的に関わる人たちは以前から存在していましたが、自然災害を機に、そこに住んでいない地域外の人が発揮できる役割の価値が顕在化したといえます。
このような動きを受け、2016年には「関係人口」という言葉を掲げた複数の書籍が発行されました。2017 (平成29) 年度の検討会で「関係人口」に着目した施策の重要性が議論されたことを受け、総務省は2018(平成30)年度から「関係人口」創出事業をスタートしています。
では、具体的に地域とどのような関わり方があるのでしょうか。次のページから「関係人口」の具体的なスタイルとして、いくつかのパターンを紹介します。