読売広告社は、「AI検索時代の生活者行動変化に関する調査」の結果を発表した。AI利用が購買行動に与える影響を可視化するために実施したもの。生活者はAIによって「悩みや面倒ごと」のモヤモヤの解決に道筋をつけ、安心を得られることに価値を感じていることが明らかになった。
調査対象は、AI検索・生成AIを月1回以上利用し、直近1年以内に主要11カテゴリ(領域)検討時にAIを利用した20~60代の男女。旅行、家電、金融、食品、ヘルスケアなどの主要カテゴリでのプロンプト(質問文)の内容と、購買意思決定に与えた影響を分析した。
カテゴリ別の分析では、AI利用率・影響度の両面で優先度が高い領域として、旅行、家電、金融、食品、ヘルスケアを挙げた。
特に、「旅行」は利用率が35.3%と最も高く、希望条件を伝えて旅程全体の設計を委ねる使い方が浸透していた。複数経由地のルート設計や、複雑な条件での宿探しなど、AIがツアープランナーとして使われている実態が示された。一方で、影響度は平均値で10点満点中、5.16ポイントだった。
報道資料より 「家電・PC」のカテゴリは、影響度が5.52と全領域中で最高だった。価格や機能が複雑で、種類が豊富な家電では、生活者が求める条件を提示してAIに候補をまとめさせたり、複数の商品を比較させたりしていた。
AI利用率が23.0%の「自動車」や、全カテゴリ中最低の18.6%だった「住宅・不動産」のような高額・長期保有商品の領域では、AIをセカンドオピニオン役として、不安払拭や価格の妥当性検証に活用する傾向がみられた。
また、利用率は高くないが影響度は高く、今後伸びていくカテゴリとして「美容、ギフト」を挙げた。
AIの利用と影響にはタイミングのズレ
生活者がAIを利用する段階と、AIから影響を受ける段階にはズレが生じていることもわかった。利用頻度が最も高いのは「選択肢把握」や「比較検討」の場面なのに対し、影響度が最も高いのは「何を選べばいいか分からない時」だった。
報道資料より同社は、AIの利用によって、解決に至る手前の「解決手順がわかり、安心した段階」で満足感が生まれるという生活者の心理変化を新たな視座として、「プロセス消費」を提案。「モヤモヤした状態」の生活者に対し、企業が、自社製品やサービスについて、個々の状況に応じた課題解決までのプロセスをAIが推奨しやすい形で情報提供することが、購買へ導く最大の施策になると指摘している。