マーケティング事業などを展開する角川アスキー総合研究所、北海道の道南バス、交通・観光分野のソリューション事業を手がけるWILLER ACROSSの3社は、バス需要予測の共同研究を開始した。道南バスとWILLER ACROSSが提供する運行・予約データと、角川アスキー総合研究所が収集・解析する観光統計などの公開データを組み合わせ、路線ごとの需要を数カ月先まで予測するモデルの構築に取り組む。
共同研究は、室蘭、登別、苫小牧市内を中心に25市町村の路線を担う道南バスの主な運行エリアを対象に実施。事前把握が難しいインバウンドを含む観光需要に応じた輸送力を確保して収益機会を拡大するとともに、生活路線の維持にもつなげる。今回の取り組みをモデルケースに、全国のバス事業者との連携を今後進める。
「収益機会の最大化」の観点では、日本政府観光局(JNTO)や観光庁が公表する公的統計に加え、為替レートや航空便の動向、地域のイベント情報、検索動向などを複合的に解析して観光需要を予測。この結果をもとに、増便や需要獲得施策の事前検討をおこない、利用者の乗車機会の確保と運賃収入の増加につなげる。
「地域交通の維持」の観点からは、通勤・通学や買い物など地域住民の日常生活を支える路線について、運行・乗降データから利用実態を分析。需要の現状や変化を把握し、地域の交通課題の整理や生活路線の維持に向けた施策の検討に活用する。
研究は、2026年11月~2027年3月の第1期でデータ収集環境の構築や予測モデルの設計、実データを用いた精度検証をおこなう。2027年春以降の第2期で予測モデルを活用した運行計画や集客施策の実践・検証に取り組む。