2014年の国内LCCはこう動く、航空各社の展開を総まとめ

日本で本格的なLCC時代が到来して約2年。年末年始も大幅に旅客を増やし、定着しつつあるLCCだが、今年は新たな展開に注目だ。今回は、知っておきたい新たな路線計画について解説する。


▼ビーチ・アビエーション

那覇空港LCCターミナル供用開始が大きな転機

本邦LCC3社のなかで、2014年度に新たな展開を見せるのがピーチ・アビエーション(MM)だ。2014年サマーダイヤ期間の国内線路線計画で、7月19日に新たに福岡/那覇線を1日1往復便で開設し、関西国際空港に続いて、那覇空港を第二拠点化することを発表した。これにより、関西/那覇線を除き、那覇空港発着路線は石垣線と台北(桃園)線と合わせて3路線となる。

この背景には、那覇空港LCC専用ターミナルで国際線施設の供用が2月10日から開始されることがある。今後は同じターミナル内で国際線・国内線の一体運用が可能となることから、乗客の利便性が格段に向上。内際ハブとしての機能が充実することで、拠点化が可能になった。MMでは、台北線に加えて、那覇空港を基点とする国際線路線を拡充していき、アジアからの訪日需要を獲得していきたい考えだ。

このほか、ピーチ・アビエーションは2月1日に関西/松山線を新規開設。これにより、現在のところ2014年度は国内線10路線、国際線6路線で事業を展開していくことになる。


▼ジェットスター・ジャパン

競合路線を増減便、第3の拠点・中部は維持へ

ジェットスター・ジャパン(GK)は、2014年夏期スケジュールで、2013年冬期スケジュールよりも1日2往復便多い1日最大38往復便を運航する。増便されるのは、MMと競合する成田/関西線(最大1日5往復便)と関西/新千歳便(最大1日2往復便)。一方、成田/大分線(最大1日2往復便)とバニラエア(JW)と競合する成田/那覇線(最大1日3往復便)は減便する。

また、LCCのなかで唯一路線を展開している中部国際空港線は、新千歳、福岡、鹿児島とも運航を継続。成田、関西に次ぐ拠点空港としての位置づけを維持していく。

▼バニラエア、激しい需要獲得競争に

JAL減便の成田/新千歳線、成田/ソウル就航で

昨年12月にエアアジア・ジャパンを引き継いで再就航したバニラエア(JW)は、国内線で成田/那覇線に続き、1月29日に成田/新千歳線に1日3往復便で就航。GKとの競合になるが、JAL(JL)が同路線で1日2往復便を減便することから、その分を埋める形になる。バニラエアでは、札幌就航にあわせて、北海道中央バスと共同キャンペーンを実施。JW搭乗者を対象に「定期観光バス特別料金」を提供することで、需要喚起を図っていく。

また、国際線では、成田/台北(桃園)線に続いて3月1日から成田/ソウル(仁川)線に新規就航する。この路線は、本邦LCCは就航していないものの、レガシーキャリアや韓国系LCCが路線展開をしており、激しい需要獲得競争が予想される。また、日韓線市場は依然として冷え込みが続いていることから、バニラエア便が新たな市場開拓につながるかどうかにも注目が集まるところだ。


▼外航LCCの新たな展開にも注目 

一方、外航LCCの日本路線での動きも引き続き活発だ。国際線LCCで先駆的な役割を果たしてきたエアアジアX(D7)は、今年3月17日から中部/クアラルンプール線に週4便で就航。日本路線をさらに拡充する。インバウンド、アウトバウンド双方の需要を狙い、将来的にはデイリー化を目指す考えだ。また、フィリピンのセブパシフィック航空(5J)は、3月30日に成田/マニラ線に週7便で、中部/マニラ線に週4便で新規就航する。現在の関西/マニラ線を加え、5Jの日本路線の供給量は一気に5倍に増える見込み。さらに、中国の春秋航空(9C)は、3月15日から関空/上海(浦東)線に週7便で就航。関空から中国本土へ飛ぶLCCは5Jがはじめてで、中国系航空会社の関空乗り入れは5年ぶりとなる。

このほか、旅行業界との関係を模索するLCCにも目が離せない。ジェットスターグループとJTBは国内線のダイナミックパッケージで提携。iJTBが運営する「るるぶトラベル」内で、ジェットスター国内線14路線と全国約16万件の宿泊プランを自由に組み合わせできるようにする。また、シンガポールのスクート(TZ)は、アマデウスと長期コンテンツ契約を締結。アマデウス利用の旅行会社への窓口を確保した。従来のLCCビジネスモデルだけでなく、日本市場の特性にあわせたアプローチに力を入れるLCCは今後も増えていきそうだ。

前回記事>>  2014年の国内線事情、知っておきたい4つのポイント

記事:トラベル・ジャーナリスト 山田友樹


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