エアアジアCEOが語った、国際線復活への予測からデジタル戦略、「我々はデータ企業」、「2021年は力強い回復」

航空業界のシンクタンクCAPA (Centre for Aviation)が開催したオンラインイベント「CAPA Live」にエアアジア・グループのトニー・フェルナンデスCEOが登場し、今後の航空市場の見通しや同グループが描くビジョンについて語った。

新型コロナウイルスに翻弄された2020年について、フェルナンデスCEOは、「とてもチャレンジングな年になったが、エアアジアのビジネスを考え直すいい機会にもなった」と話し、2021年については「次のチャプターに向かって力強い回復を見せるだろう」と楽観的な見通しを示した。

同グループの国内線と国際線の割合はそれぞれ50%。国内線については、エアアジア・ジャパンは破綻し、エアアジア・インドについては出資パートナーのTata Groupと今後の対応について話し合いを続けているが、フェルナンデスCEOは「その他の東南アジアの国では順調に需要が回復している」と自信を示した。本国マレーシアでは、12月6日に条件付き活動制限令が部分的に解除されたことを受けて、エアアジアの予約も殺到。7日には1日での航空券販売数が過去最高を記録したという。

国際線の復活については、ワクチン接種の拡大、検査体制の拡充、治療方法の確立、公衆衛生の徹底がカギになるとの見解を示し、「ワクチンについては、シンガポールではロジスティックスの観点から比較的早く接種が進み、国境の再開も早いだろうが、インドネシアやタイなどはワクチンが行き渡るまでに時間がかかると予想されるため、検査体制の拡充の方が有効だろう」と話した。

そのうえで、「アジアでは、来年3月頃におそらくシンガポールが先陣を切って国境を再開し、6月頃にかけて本格的な回復に向かうのではないか」との見方を示した。また、マレーシアの例からも「人々は旅行をしたがっている」として、レジャー旅行の回復は比較的早いと予測。一方、ビジネス需要については、オンラインミーティングなどが進んでいる現状から「短期的には回復は遅くなる」と見通した。

インタビューはCAPAのピーター・ハルビソン会長(左)が務めたデジタル化で航空会社以上の存在に

フェルナンデスCEOは、同グループがコロナ禍以前から取り組んできたデジタル・トランスフォーメーションについても言及。「我々はデータ企業だ。設立以来19年間ダイレクトに消費者と接してきた。現在でも約80%がダイレクトブッキング。ここから得られるデータを基礎にしたビジネスには大きな可能性がある」と強調した。

同グループは、AirAsia.comを単なる航空券販売サイトではなく、ライフスタイル商品を扱うプラットフォームに進化させているところ。フェルナンデスCEOは「我々には、膨大なデータベースがあり、マイレージプログラム会員も多い。その利点を生かして、食品や旅行関連商品の販売、フィンテックなどさまざまな商材をプラットフォームで取り扱い、Eコマース革命を起こす」と攻めの姿勢を示す。

また、プラットフォーム上で自社航空券だけでなく、他社航空券へのアクセスも強化していく考えだ。昨年11月には航空券流通プラットフォーム「Kiwi」と提携。エアアジアが路線を展開していない航空会社100社以上の航空運賃を提示できるようにした。

さらに、フェルナンデスCEOは、同グループのテクノロジー物流会社「Teleport」を挙げて「ロジスティックスも今後有望なビジネス」と付け加えた。Teleportは、アセアンの主要都市でフードデリバリーを展開しているほか、アリババグループの物流会社「Cainiao」と提携し、アリババグループの越境ECの物流にも参入している。

「音楽市場がカセットからCD、そしてデジタル配信に進化してきたように、航空会社もデジタル化を進めていく必要がある。エアアジア・グループは、航空会社以上の存在として進歩的な変化を続けていく」とフェルナンデスCEO。「目指すのは、エアアジア経済圏の構築」と力を込めた。

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