観光事業者のインバウンド受入れは減速傾向、人材不足が最大課題、予約チャネルは多様化、宿泊事業者の海外OTA経由71%  ―日本旅行業協会

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日本旅行業協会(JATA)は、全国の観光関連事業者や自治体などを対象に実施した「第5回インバウンド旅行客受入拡大に向けた意識調査」のアンケート分析結果を公表した。この調査は、宿泊事業者、旅行会社、輸送事業者、観光施設、自治体・DMOなど1096件から回答を得たもの。JATAでは、前回調査で把握した2024年の受入状況と比べ、2025年はインバウンドの受入れが減速傾向にあると分析している。調査は2026年6月25日~8月2日にJTB総合研究所が実施した。

2025年受入動向と参入状況

2025年におけるインバウンド観光客の受入状況は、人数ベース(稼働率)で「前年とほぼ同等(90%~109%)」と回答した事業者が37%で最多となった。「110%以上」の拡大傾向は33%、「89%未満」は30%となり、売上(取扱額)ベースでも同様の傾向を示している。前回調査では「110%以上」が46%だったことから、JATAは受入れの伸びが減速しているとみている。

国・地域別では、現在の主要市場は台湾が最大で、北米、欧州が続いた。一方、中国は前回調査から20ポイント低下。今後、受入強化をしたい市場では欧州、北米、東南アジアへの期待が高まっている。

インバウンド観光客が多い時期は、春季(桜のシーズン・イースター)が54%、秋季(紅葉のシーズン)が53%といずれも半数を超え、前回調査からそれぞれ4ポイント、5ポイント上昇。特定時期への集中がより進んでいる。

また、インバウンドの「取扱なし(受入していない)」は11%にとどまり、そのうち「今後も受入予定がない」との回答は48%となった。JATAでは、取扱なし自体の割合が低いことから、受入意欲のある事業者は、すでに参入済みである可能性が高いと推測している。なお、受入をおこなっていない事業者の参入障壁としては「人手不足・人材不足」が61%で最多となった。

予約チャネルは多様化、宿泊事業者は海外OTAが71%

インバウンドの予約チャネル(最大3つまでの複数回答)では、「日本の旅行会社・旅行サービス手配業者」が58%で最多となり、前回調査の49%から9ポイント上昇した。「海外旅行会社」も41%から49%、「海外OTA」は24%から30%、「国内OTA」は14%から19%へそれぞれ増加。JATAでは、多様なチャネルを経由した予約が進んでいるとみている。

業種別では違いも大きく、宿泊事業者では「海外OTA」が71%と最も高く、「海外旅行会社」64%、「日本の旅行会社・旅行サービス手配業者」57%が続いた。一方、輸送事業者では日本の旅行会社経由が77%、観光施設・飲食事業者でも75%と高く、業種によって主要な流通チャネルが異なる結果となった。

現在の課題と「人手・人材不足」の実態

事業者が現在抱えている課題では、「人手不足や人材不足」が37%で最多となった。不足職種(複数回答)は「営業・販売」が46%で最も高く、特に旅行会社では66%に達している。「サービスフロントスタッフ」は33%、「ドライバー・バスガイド」は31%。人で不足を抱える輸送事業者に限ると92%がドライバー不足を訴えている。

不足要因(複数回答)は「就職希望者が少ない」(38%)が最多で、「インバウンド受入の経験者不足」(31%)、「待遇(賃金、福利厚生、研修制度など)」と「インバウンド対応人材を育成する余裕がない」(各30%)が続いた。

また、インバウンド受入れで課題を抱える事業者のうち、過半数が「依然として課題は未解決」と回答しており、受入環境の改善が進んでいない実態もうかがえる。

将来的に顕在化すると予想される課題(複数回答)でも「人手不足や人材不足」が38%で最多となった。次いで「オーバーツーリズム(混雑感、ポイ捨て、騒音、渋滞、地域住民への配慮等)」が36%、「二次交通の整備」が23%。オーバーツーリズムは、現在の課題としての選択割合(22%)よりも将来的な課題での回答率が高く、JATAは将来的な地域環境や住民生活への影響に対する危機感の高まりが現れているとみている。

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