ローマで物議を醸す観光用ゴルフカート、市当局が取り締まり強化、一貫性のない処分に業界団体が反発

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ローマでは今、観光客を乗せて歴史地区を走り回るゴルフカートが問題となっている。規制の整備が追いつかないほどの勢いで普及し、一部の地元メディアは「侵略」という刺激的な言葉を使い、ローマが「ゴルフカートに人質に取られている」とまで表現している。そのなかで、ローマ市当局は取り締まりを強化し始めた。

一方、推進派は、カートは観光用バンやバスよりも場所を取らず、歴史的建造物を汚す排気ガスも出さないと主張している。

このゴルフカートによる移動は、ローマの主要スポットを駆け足で巡るものだ。

ゴルフカートのドライバーは、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の周りを回った後、スペイン階段へと向かい、カーシェアリング専用のスペースに駐車する。しかし、それは違法駐車だ。ドライバーは「ゴルフカート専用の正規の駐車場所がないので、停められる場所に停めるしかない」と話す。

ローマでは昔から駐車が悩みの種となってきた。乗用車、バン、スクーター、オートバイが、縁石の上や横断歩道、中央分離帯にまで停められている。トラックは荷降ろしのために二重駐車をする。

市の交通担当責任者が昨年の現地調査に基づいて明らかにしたところによると、正規の路上駐車スペースは4300台分しかなく、これは同地区の住民が所有する車の数の約4分の1に過ぎない。さらに、毎日平均5万台の車両が流入してくる。不満を抱く住民が出てくるのも当然だ。

タビナカ体験予約のViator(ビアター)によると、今夏、ゴルフカートの予約数は2024年比で147%増加したという。ローマには最大500台のカートが存在し、その5分の1は地元住民や市当局との協調を目指して2025年12月に設立されたツアー事業者団体「Metur」に所属している。

容易ではないゴルフカートの規制

ローマ市では、交通秩序の回復と交通量の削減に取り組んでいる。その対象はゴルフカートだけではない。

7月には、ガソリン車と同様に電気自動車も歴史地区への進入料を支払うことになった。これは、排出ガスの削減を主眼とする方針から、交通渋滞への対処を重視する方針への戦略的な転換を意味する。進入を許可された車両数は25%減の35万台となった。ローマ市は1日あたりの進入台数を半減させることを目指している。

しかし、ゴルフカートの規制はそう簡単なことではない。第一に、すべてのカートが同じ扱いを受けるわけではない。技術的な仕様の違いによって、既存の規制の対象となるものもあれば、自由に走行できるものもある。第二に、旅客輸送や観光事業は地域ごとの管轄下にある。

そこで、ローマ市は、州政府に対してその権限をローマ市に移譲するように要請。これが実現すれば、ツアーのルートを固定化し、あらゆる種類のカートの台数に上限を設け、運行業者を選定する仕組みを導入することができるようになる。

事態は転換点を迎えつつある

すでにゴルフカート運行の規制は始まっている。Metur会長のパスカル・ファン・ドゥインホーフェン氏によると、8月後半だけで当局によってMetur加盟の車両は14回停止させられた。しかし、処分は一貫性がないものだった。無許可営業とみなされたカートは1ヶ月以上にわたって公道での走行を禁止された。または、無許可のツアーガイド行為としてドライバーに4000ユーロ(約72万円)の罰金が科されるケースも出た。

あるゴルフカートのドライバーは、「既存のハイヤーやタクシーのドライバーたちが、自分たちのビジネスを脅かすこの『新参者』に対して敵意をむき出しにしている。我々に対して『戦争』を仕掛けてきている。問題はそこにあると思う」と話した。

※ユーロ円換算は1ユーロ180円でトラベルボイスが算出

※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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