香港政府観光局が日本開局50周年、メディアミックスの新キャンペーンで「アガる香港」+「おトク」をアピール

香港政府観光局は2016年7月1日に日本開局50周年を迎える。これにあわせ副理事長のベッキー・イップ氏が来日。「日本にとって身近なデスティネーションでありたい」と語り、50周年に行なうキャンペーンについて説明した。

イップ氏は、「1度は香港を訪れたことのある日本人が多いと思うが、50周年の機会に改めて香港の魅力、新しい体験を伝えたい」と強調。なかでも、20~40代の働く女性をターゲットに2015年度から展開している「アガる香港キャンペーン」では、“アガる”体験に加えて“おトク”な選択肢が多いことを紹介していく方針だ。

これは、円安やホテル料金の高騰などによる香港旅行の割高感への対応策でもある。イップ氏は、香港のミシュランガイドで新しく「ストリートフード」のカテゴリが設定されたのも「新しい魅力」として、デラックスからリーズナブルなものまで、デスティネーションとしての幅の広さがあることをアピール。

例えば、100万ドルの夜景も、ビクトリアハーバーを行き交うスターフェリーや香港島を走るトラムに乗れば、約40円で夜景クルーズやイルミネーションツアーができるなど、工夫次第でリーズナブルに楽しめることを日本人にわかりやすく発信していく。

その方法は、テレビや雑誌、新聞、オンラインなどで訴求する。昨年、女性誌「FRaU」で実施した1冊まるごと香港特集は、今年は「an ・an」とコラボ。発売にあわせたメディアミックスのキャンペーンを実施する。このほかライターや編集者など香港ファンのインフルエンサーが「超級香港迷(スーパーホンコンマイ)」として、通年で香港の魅力を紹介。旅行者が作るコンテンツも重視し、SNSでは「#アガる香港」を使った写真共有キャンペーンも行なう。

さらに50周年記念の特典として、今年から開始した2階建てオープントップトラムの観光ツアー「TramOramicツアー」を無料で提供。1920年代のトラムを復元した世界初のトラムで、香港島を約1時間、日本語音声付きで巡る。無料提供はイルミネーションが美しい12月の週末日時限定で実施する予定で、詳細は8月下旬に発表する。


2015年は2.7%減も9月から復調、2016年は累計プラスで順調

2015年の日本人訪問者数は前年比2.7%減の104万9272人。これについて堀氏は航空座席数の影響だと説明する。日本/香港間の航空座席数はこの2、3年、年15~20%増程度で増加傾向にあるが、昨年の香港からの訪日客数が前年比63%増の約150万人と大きく伸びた中、「この増量に座席供給量が追いつかなかった」。

発地別で見ると、日本人旅行者の55%を占める関東は落ちなかったが、西日本で大きな影響を受けた。ただし、香港人の訪日旅行者がハードリピーター化するなか、最近は西日本でも広島や宮崎、鹿児島、高松、熊本など地方への渡航が増えていることから、「関空や博多の日本発座席がとりやすくなった」。実は9月から前年比でプラス推移に転じたという。

今年は3月が桜の時期の訪日需要の影響でわずかに前年を下回ったが、それ以外はプラス推移。1月~4月の累計で7.1%増の見込みだ。なお、イップ氏によると、現在、日本/香港間を結ぶフライトの日本就航地は12都市だが、新たに3都市への路線開設が見込まれているという。

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